教育業界ニュース

教員採用試験、6月前倒しを提示…文科省

 文部科学省は2023年5月31日、公立学校教員採用選考試験の早期化・複数回実施などについて方向性を取りまとめ提示した。就職活動の早期化にあわせ、1か月程度早い6月に試験を行う方針。

教育行政 文部科学省
文部科学省
  • 文部科学省

 文部科学省は2023年5月31日、公立学校教員採用選考試験の早期化・複数回実施などについて方向性を取りまとめ提示した。就職活動の早期化にあわせ、1か月程度早い6月に試験を行う方針。

 教員の採用倍率低下を受け、文部科学省は2022年10月より全8回にわたり各都道府県の教育委員会などで構成する協議会において議論を交わし、公立学校教員採用選考試験の早期化・複数回実施などの方向性を示した。

 試験実施時期を早めるためには、問題作成の作業スケジュールの見直しや、学生の教育実習の時期と重なる可能性のほか、一部で早めた場合には採用辞退者数の把握が難しくなるなど課題がある。

 そのため、2024年度実施の試験に関しては、実施日を6月16日にあわせて行うことを提示。この場合は、文部科学省より教員資格認定試験(小学校)の問題を参考提供できるため、各教育委員会の問題作成に係る負担を一部軽減できるとしている。あわせて最終合格発表についても前倒しを検討するよう求めている。

 大学においては、年で決まった曜日に実施する教育実習や、1~2年生の早い段階から学校活動を体験させるなど、学生の状況に応じた柔軟な実習の履修形式が認められるよう教育実習の見直しを依頼。

 複数回実施については、募集する学校種を絞ることや、大学での推薦などを前提とするなど、各教育委員会で必要な人材を獲得するために対象を限定して実施することで、適正な規模で効果的な選考を行える。追加で必要となる試験問題は、文部科学省の2023年度委託事業にて、冬期に実施する教養試験問題を作成する予定であり、これを積極的に活用し負担軽減につなげてほしいとしている。

 文部科学省では引き続き、教員の処遇改善や長時間労働の見直しを並行して進め、質の高い教師人材の確保を目指すとともに、教員採用選考に係る第1次選考の全国共同実施の実現可能性についても調査・検討を進める考えを示した。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top