日本経済団体連合会(経団連)と国公私立大学の代表者で構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は2023年4月26日、2022年度報告書「産学協働で取り組む人材育成としての『人への投資』」を公表した。
「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、2019年に大学と経団連の代表との間で率直な意見交換を行うための継続的な対話の場として設置。2022年度は、質の高いインターンシップを核とした「学生のキャリア形成支援活動」の推進、企業と大学等との連携によるリカレント教育の推進について各分科会で議論を重ねた。
また、テーマ別で「理系人材の拡充」「大学院教育の拡充と博士人材の活用推進」「グローバル人材の一層の推進」等について懇談会を開催する等、「仕事と学びの好循環」を目指す活動を展開している。
今回、これらの活動を取りまとめた、2022年度報告書「産学協働で取り組む人材育成としての『人への投資』」を公開。報告書は60ページ以上にわたり、「採用・インターンシップ」「産学連携によるリカレント教育の推進」「テーマ別懇談会での検討」「アクション・プラン」等について、活動状況や今後の課題等を掲載している。
インターンシップについては、新たに定義された4類型からなる学生のキャリア形成支援活動を2023年度から円滑にスタートすべく、企業・大学・学生・政府等、関係方面への周知活動を展開。
2022年8月には、リーフレット「産学で変えるこれからのインターンシップ-学生のキャリア形成支援活動の推進-」を作成・公表、11月に一部改訂。2023年3月には、学生用リーフレット「何が変わるの?これからのインターンシップ-自分のキャリアを考えるために今できること-」を作成・公表し、周知を図っている。
経団連会員企業を対象にした「質の高いインターンシップに関する意向調査」(2023年1月実施)によると、新たなインターンシップの定義を「内容もよく知っている」と回答した企業は8割(228社)を超え、新たなインターンシップへの関心の高さが示されたという。また、タイプ3に該当する質の高いインターンシッププログラムについて、2023年度に実施予定の企業は、すでに実施している企業とあわせて、約6割(約150社)にのぼることが明らかとなった。
リカレント教育については、大学側から提供された好事例をもとに「大学の強みを生かしたリカレント教育プログラム」の目的を7つに類型化。今後、企業と大学におけるリカレント教育プログラムの検討にあたり、「どのような目的のプログラムを開発するか、あるいは社員に受講させるか」の目安としての活用に期待を寄せている。
2022年度報告書は経団連のWebサイトで閲覧できる。