2022年度大学入学者選抜の実施方法は、一般選抜約50%、学校推薦型選抜約30%、総合型選抜約20%で、国公私立いずれも2年前の入試より総合型選抜の割合が増していることが、文部科学省が2023年3月31日に公表した「大学入学者選抜の実態の把握および分析等に関する調査研究」より明らかになった。
「大学入学者選抜の実態の把握および分析等に関する調査研究」は、文部科学省の委託を受けたリベルタス・コンサルティングがまとめたもの。大学入試改革に係る大学入試のあり方の検討において、実証的なデータやエビデンスに基づく政策決定の重要性が指摘され、国内の全大学・短期大学が現在実施している入学者選抜の最新動向を網羅的に把握する必要があることから、各大学の入学者選抜について選抜区分ごとに詳細を把握し、状況分析を行った。
調査対象は学生募集停止の大学を除く全1,071大学(国公私立大・公私立短大の計)で、回収率は100%。調査期間は2022年7月14日~8月31日、遅れて回答のあった大学等も含め、11月29日までの回収分を集計している。
入学者選抜の個別学力検査における試験問題の公表状況は、国立大93.9%、公立大89.5%、私立大93.2%と、いずれも約9割の高水準。公表方法は、国公立大では「大学のホームページに掲載」、私立大では「大学で発行する問題・解答集に掲載」がもっとも多かった。試験問題の「解答」の公表状況は、国立大92.7%、公立大80.0%、私立大84.0%と、8割を超える。公表方法は、国公私立大いずれも試験問題の公表方法と同じ項目が最多となった。
大学全体の選抜方法を、一般・学校推薦型・総合型選抜の3区分別でみると、一般選抜49.7%、学校推薦型選抜31.0%、総合型選抜19.3%。前回調査時にあたる2020年度入試と比較すると、国公私立大すべてで総合型選抜の割合が増加。国立大は3.5ポイント、公立大は2.0ポイント、私立大は6.3ポイント総合型選抜の実施割合が増加した。
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の利用の実態をみると、一般選抜において共通テストを利用して合否判定する選抜区分は、国立大94.8%、公立大96.8%、私立大45.6%。共通テストを利用して合否判定する場合の利用科目数は、一般選抜では、国立大7科目、公立大7・4・5科目、私立大2・3科目の利用が多かった。
調査では、この他に個別選抜の実態や、英語資格・検定試験の活用の実態、記述式問題等の出題の実態等、細かな項目に分けて詳細に選抜実施を調査・分析し、180ページ超えの調査書としてまとめている。調査結果の全文は文部科学省Webサイトから見ることができる。