文部科学省は2022年12月7日、「2021年度（令和3年度）地方教育費調査」の確定値を公表した。2020年度（令和2年度）に支出された地方教育費総額は、前年度（2019年度）比4,151億円（2.5％）増の16兆7,991億円で、2年連続の増加となった。
地方教育費調査は、学校教育・社会教育・教育行政のために地方公共団体が支出した経費（決算額）の状況を明らかにするため、文部科学省が毎年実施している。調査対象は、大学・短期大学を除く公立学校と都道府県・市町村教育委員会。
2020年度に支出された地方教育費総額は、前年度比4,151億円（2.5％）増の16兆7,991億円。教育分野別にみると、全体の84.3％を占める「学校教育費」が前年度比2.5％増の14兆1,631億円。「社会教育費」が前年度比2.9％減の1兆5,143億円、「教育行政費」が前年度比11.3％増の1兆1,218億円であった。
学校教育費を支出項目別にみると、人件費や教育活動費等の「消費的支出」は前年度より1,288億円（1.1％）増加。建築費や設備・備品費等の「資本的支出」は前年度より2,508億円（14.4％）増加。「債務償還費」は前年度より332億円（3.8％）減少した。
学校教育費に占める人件費の割合は65.4％で、前年度より減少。学校種別にみると、小学校は前年度より498億円（1.2％）、中学校は前年度より392億円（1.7％）、高等学校（全日制）は前年度より222億円（1.3％）それぞれ減少した。
2021年5月1日現在の教育委員会数は1,853。このうち、市町村教育委員会（特別区、一部事務組合、共同設置、広域設置の教育委員会を含む）の数は1,806。2019年度の前回調査から、一部事務組合の解散等により3減少した。
教育委員総数のうち女性が占める割合は、都道府県教育委員会が前回調査時と同率の43.2％、市町村教育委員会は41.8％で、前回調査より1.1ポイント上昇した。女性教育長の割合は、都道府県で10.6％、市町村で5.5%。いずれも前回調査から上昇し、過去最高となった。
