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子供の潜在的なSOSを早期にキャッチ「YOSS クラウドサービス」12/1開始

 大阪公立大学とパナソニックコネクトは2022年12月1日、子供たちの潜在的なSOSを早期にキャッチし、適切な支援につなげる「YOSS クラウドサービス」を開始。全国の小中学校・高校等の教育現場に提供していく。

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YOSS クラウドサービス
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 大阪公立大学とパナソニックコネクトは2022年12月1日、子供たちの潜在的なSOSを早期にキャッチし、適切な支援につなげる「YOSS クラウドサービス」を開始。全国の小中学校・高校等の教育現場に提供していく。

 「YOSS(Yamano Osaka Screening System、ヨース・特許申請中)」は、子供の隠れたSOSに気付き、潜在的に支援が必要な子供や家庭への適切な支援を行うことを目的に2018年に大阪公立大学の山野則子教授らが開発した。児童生徒ひとりひとりの欠席日数・行動・身だしなみ・家庭環境等の情報を、教員がスクリーニングシートに点数式で記入し、客観的なデータに基づいて支援を決定することができるため、早期発見・支援につながるとしている。

 また、チームで対応の方針を決めることができるため、教員が1人で抱え込むことを解消。さらに、身近な地域資源を活用することで子供たちは気軽に参加でき、地域は必要な子供に支援を届けることができ、連携が活性化していく。すでに33自治体211校に導入実績があり、具体的な効果として、不登校の児童生徒数が3分の1に減少、遅刻早退等が7割改善、諸費滞納が8割改善という自治体の実績も。組織として、支援内容の決定スピードが10倍近くも向上し、教員の負担が軽減される傾向がみられ、教育現場における諸問題の改善効果も表れているという。

 12月1日より全国に提供する「YOSS クラウドサービス」は、パナソニックコネクトのサービス開発のノウハウを生かして、「YOSS」の機能をクラウド上にシステム構築したもの。支援が必要な児童生徒を抽出し、自動判定された支援の方向性を提案することで適切な支援につなげ、改善をサポートする。また、データが自動的にクラウドに蓄積されることで、大阪公立大学はそのデータを活用して、深化させた研究結果を教育現場に提供できるため、児童生徒のさらなる適切な支援を実現するとしている。

 クラウドにすることで、教員やスクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールカウンセラー(SC)等との情報共有が容易になり、客観的なデータに基づいてチームで議論することで、教員が1人で抱え込むことを防止し、ベテラン教員の知見等の継承により、チームの強化を目指す。「YOSS クラウドサービス」の詳細はWebサイトに公開している。

《田中志実》

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