室蘭工業大学の理事・副学長(総務・財務担当)、デジタル・キャンパス推進室長、CDOの佐藤孝紀氏を招いたウェビナーでは、「地方・単科大学が、専門家なしで『導入』から『価値創出』、そして『文化定着』へ」をテーマに、同大学のDX推進の実践が詳説された。
「私はIT専門家ではない」と語る佐藤氏が旗を振り始まった草の根的な取組みが、今や組織と人を根底から変えるまでの「価値創出」に至っている。
室蘭工業大学のDX推進
室蘭工業大学は、理工学部2学科9コース、大学院博士前期・後期課程を擁し、学生数約3,300名、教員数約190名、職員数約100名の国立単科大学で、札幌から約120キロの距離に位置する。
室蘭工業大学のDX推進はいくつかのフェーズで進められている。まずはフェーズ 1(2019~2021年)の「DXの芽を育てる」段階では、 Windowsパソコンで行う Excel入力、データ転送、メール送信といった定型業務を、ソフトウェア型ロボットが記憶して自動化・高速化 するRPA「WinActor」の試行導入と、若手職員有志9名によるRPA開発体制の試行という2つの取組みからスタートした。
2021年2月にはPower Automateの活用を開始。「この若手の有志9名が、その後の私たちのDX推進を推し進めてくれるメンバーだ」と佐藤氏は振り返る。草の根から芽吹いたDXの種は、やがて組織全体を変える推進力となっていった。

続くフェーズ2では、「大学として組織的にDXを推進するための制度化・組織化が進んだ」と佐藤氏。2022年7月、室蘭工業大学は「デジタル・キャンパス推進基本方針」を策定して公表した。同時に、CDO(Chief Digital Officer)を配置し、デジタル・キャンパス推進室を設置している。
このデジタル・キャンパス推進室の構成員は、理事(総務・財務)・CDO、CDO補佐(外部アドバイザー)、副学長(教育)、CISO(Chief Information Security Officer)補佐※、3名の理事指名教員と6名の理事指名職員、理事指名技術職員3名で構成され、5部門が設けられた。佐藤氏は、「ICTの専門家のいない組織として開始した本学のDXの推進には、外部アドバイザーとして招聘した白井芳明氏の存在が大きかった」と述べ、次のように続けた。 ※デジタルキャンパス推進室を発足させた2022年から2024年3月までは、佐藤氏がCISOを兼務。2024年4月以降はCISOはコアメンバーではない。














