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デジタル社会の実現に向けた中長期計画を策定…文科省

 文部科学省は2022年10月26日、デジタル社会の実現に向けた重点計画に基づく中長期的な計画を策定し工程表とあわせてWebサイトで公表した。CBTシステム「MEXCBT(メクビット)」は小中学校等で2024年度(令和6年度)までに登録率100%を目指す。

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  • 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づく「文部科学省における中長期的な計画」

 文部科学省は2022年10月26日、デジタル社会の実現に向けた重点計画に基づく中長期的な計画を策定し工程表とあわせてWebサイトで公表した。CBTシステム「MEXCBT(メクビット)」は小中学校等で2024年度(令和6年度)までに登録率100%を目指す。

 文部科学省は各府省とともに、デジタル社会形成基本法に基づき、デジタル化のための構造改革や個別の施策に取り組む羅針盤として「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を2022年6月7日に閣議決定した。今回、これを踏まえ、5か年を基本とする「文部科学省における中長期的な計画」を策定。中長期計画では、「各省内業務システムにかかるゼロトラストアーキテクチャへの対応」「ICTを活用した教育サービスの充実」「教育データの効果的な活用の推進」の3課題について計画目標を設定した。

 このうち、「ICTを活用した教育サービスの充実」については、2020年度(令和2年度)にCBT(Computer BasedTesting)システム「MEXCBT(メクビット)」を開発し、全国の学校等で共通基盤の整備を推進。全国学力・学習状況調査の問題等に加えて、新たに地方公共団体の学力調査の問題等を掲載する等の拡充を行い、2021年度(令和3年)12月以降は、希望する全国の小・中・高等学校等で活用を開始し、2022年7月時点では全国約1.1万校の約360万人がMEXCBTに登録している。しかしながら、必要となる知見や成果を集約するためにはMEXCBTの活用を全国に広げることが必要となっている。
 
 また、「教育データの効果的な活用の推進」については、現在、国が所有している教育に関する各種調査データや研究成果等は個別管理で全体を把握できておらず教育データの活用が進んでいない状況である。

 これらの課題を解決するため、今回の計画目標では、MEXCBTの登録率(小中学校等)を2024年度までに100%とした。また、文部科学省や国立教育政策研究所等が実施した教育分野の自治体・学校等の状況に関する調査データや研究成果・取組事例を集約する「公教育データ・プラットフォーム」の試行版を2022年度(令和4年度)内に構築し、2023年度以降に検証を行い方策を検討。試行版の実績を踏まえて「公教育データ・プラットフォーム」へのアクセス件数の増加を図る。

 その他、文部科学省の基盤である「文部科学省行政情報システム」については、システムおよび取り扱う情報資産の調査・分析にかかる調査業務システム数を2023年度までに100%、統合ID基盤連携計画の策定については、必要性・可能性が高としたシステムについて、2024年度までに100%とする中長期計画を設定した。

 現在、文部科学省の基盤である「文部科学省行政情報システム」は、2022年1月よりゼロトラストの概念を念頭に置き、認証・認可についてもIDaaS(IDentity as a Service)で管理し、すべてのユーザー認証やアクセス権限等を制御している。ただし、同省で運用している各業務システムでは、現時点でIDaaSを活用できていない。そのため、省内システムについては、認証・認可等の統合によるセキュリティ向上、運用経費縮減が課題となっている。

 文部科学省では、デジタル社会の実現に向けた取組みを行うにあたり、必要に応じてデジタル庁と連携し検討を行っていく。


《川端珠紀》

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