千葉県教育委員会は2022年10月19日、「教員等の出退勤時刻実態調査」の結果を公表した。副校長・教頭の時間外在校等時間は他の職種よりも長く、中学校47.5%、小学校33.5%の副校長・教頭がいわゆる「過労死ライン」に該当する月80時間を超えて在校している実態にあった。
「教員等の出退勤時刻実態調査」は、県内公立学校(千葉市立の学校および市立高校を除く)のフルタイム勤務職員(校長、副校長、教頭、主幹教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、実習助手、講師)を対象に6月と11月の2回実施。今回、6月に実施した第1回調査の速報値を公表した。
月あたりの時間外在校等時間が45時間を超える教諭等の割合は、全校種平均51.3%(前年同月53.6%)。校種別では、義務教育学校74.7%がもっとも多く、ついで中学校69.5%、小学校57.2%、高等学校36.0%、特別支援学校13.7%。
月あたりの時間外在校等時間は、全校種平均49時間47分(同50時間39分)。校種別では、中学校65時間6分、義務教育学校60時間8分、小学校49時間45分、高等学校41時間29分、特別支援学校29時間44分。校種によって実態に差がみられた。
千葉県教育委員会は、月あたりの時間外在校等時間について「全体的に45時間を超えて業務する教諭等の割合が減少したことは、業務改善に向けての取組みや意識の向上による結果と推察する」と評価。全校種の平均が49時間47分であったことについては「前年度より改善されたものの、県の目標である『45時間を超えないようにする』を4時間47分超えていた」と指摘している。
一方、市町村立学校で月あたりの時間外在校等時間が「過労死ライン」とされる80時間を超える者の割合は、中学校副校長・教頭が47.5%(同50.9%)ともっとも高く、小学校副校長・教頭33.5%(同32.9%)、中学校教諭等29.4%(同34.5%)の順に多かった。
月あたりの時間外在校等時間の平均は、中学校副校長・教頭が79時間50分(同81時間38分)と過労死ラインに迫り、小学校副校長・教頭73時間21分(同73時間54分)、中学校教諭等65時間11分(同67時間12分)と続いた。県立学校では、特別支援学校副校長・教頭61時間27分(同62時間7分)、高等学校副校長・教頭60時間10分(同62時間24分)。
各校種とも、副校長・教頭の時間外在校等時間が他の職種よりも長い実態にあった。千葉県教育委員会では、副校長・教頭に係る調査・報告の削減や軽減を図るとともに、ICTによる業務の効率化を目指していく。また、スクール・サポート・スタッフを配置している学校の調査結果を検証し、教員等の業務量がより効果的に軽減されていくための研究を行うとしている。