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高2時より授業の満足度増、人間関係の満足度減…大2調査

 文部科学省は2022年9月28日、2001年(平成13年)出生児(大学2年生相当)を対象とした「21世紀出生児縦断調査」の第20回調査(2021年)の結果を公表した。高校から大学等に進学した者の授業満足度は増加、人間関係の満足度は減少傾向にある。

教育行政 文部科学省
第18回調査の学びたい分野(第1志望)と現在学んでいる専門分野
  • 第18回調査の学びたい分野(第1志望)と現在学んでいる専門分野
  • 学校生活の満足度の変化
  • 学校の授業の予習・復習の時間および学校の授業以外の学習の時間(1週間の合計時数)
  • 専門分野(学部)別学校の授業の予習・復習時間(1週間の合計時数)
  • 新型コロナウイルス感染症による影響
  • 精神的健康の状態の変化

 文部科学省は2022年9月28日、2001年(平成13年)出生児(大学2年生相当)を対象とした「21世紀出生児縦断調査」の第20回調査(2021年)の結果を公表した。高校から大学等に進学した者の授業満足度は増加、人間関係の満足度は減少傾向にある。

 「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)」は、2001年に出生した子供の実態や経年変化の状況を継続的に観察するため、2001年から厚生労働省が毎年実施し、2017年から文部科学省が調査を引き継いで実施しているもの。対象は、2001年1月10日~17日、7月10日~17日に出生した子供で、第20回調査時の年齢は20歳(大学2年生相当)。回答者数は1月生まれが1万2,175人、7月生まれが1万2,160人。

 調査対象者の現在の状況は、在学者76.2%、就職者15.2%、その他・不詳8.7%。在学者について、第18回調査の「進学先で学びたい分野(第1志望)」と現在学んでいる専門分野を比較してみると、第1志望の専門分野が「社会科学」「工学」「保健」 「家政」「芸術」と回答した者は、それぞれ8割以上が現在第1志望と同じ専門分野で学んでいた。「現在学んでいる専門分野」の男女別の割合は、男子は「社会科学」31.4%、「工学」24.6%、「理学」8.4%の順で多く、女子は「社会科学」19.2%、「保健」16.0%、「人文科学」13.2%の順で多くなっている。

 学校生活の満足度について、第17回調査(高校2年生等)と第20回調査(大学2年生等)で比較すると、「学校(クラス)の友人関係はうまくいっている」について「とてもそう思う/まあそう思う」と回答した割合は92.0%から85.9%に減少。「教師との関係はうまくいっている」についても、同回答の割合は87.8%から80.0%に減少。一方、「ためになると思える授業がたくさんある」について「とてもそう思う/まあそう思う」と回答した割合は70.2%から81.1%に、「学校の勉強は将来役に立つと思う」の同回答の割合は73.4%から84.7%に増加している。

 学習時間の1週間の合計時数は、学校の授業の予習・復習の時間が6時間以上と回答した割合(合計)は、大学54.7%、短期大学32.0%、高等専門学校46.2%、専修学校・各種学校35.7%。学校の授業以外の学習時間が6時間以上の割合は、大学19.3%、短期大学13.8%、高等専門学校29.6%、専修学校・各種学校19.6%。さらに専門分野別にみると、学校の授業の予習・復習時間が6時間以上と回答した割合は「理学」がもっとも高く65.4%、ついで「工学」62.8%、「農学」60.6%、「保健」58.9%の順で多くなっている。

 学校の生活や意識における新型コロナウイルス感染症による影響については、「学校への通学日数への影響があった」との回答がもっとも多く、90.5%が「影響があった」と回答。「学校生活の満足」も81.8%が「影響があった」と回答した。

 心の状態について、第18回調査から第20回調査までの傾向をみると、いつも/ほとんどいつも「明るく、楽しい気分で過ごした」割合は33.2%、「意欲的で、活動的に過ごした」は25.3%、「日常生活の中に、興味のあることがたくさんあった」は20.5%と低く、いずれも第18回調査より減少。一方で、自尊感情や精神的回復力については、第18回調査から第20回調査の期間で回復傾向にある。


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《畑山望》

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