学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第95回のテーマは「夏休み中、生活が不規則になってしまい、夏休み明けの登校が心配」。
休み明けは不適応を起こしやすい
夏休み明けの時期は子供が不適応を起こしやすい時期です。統計でも登校しぶりが起こりやすいのはこの時期ですし、残念ながら子供の自殺が多いのもこの時期です。適切なケアが必要な場合もあるでしょう。
まず前提として、長い休みの時に「生活が乱れてしまうこと」や「やらなければならないことが終わらずモヤモヤとした気持ちを抱えること」等は当たり前のことです。これは子供だけでなく、大人であっても同様です。長く休んでいた時の最後の日には次に日の出勤のことを思い、少し気分が重くなる人も多いはずです。
私も同様です。長期の休みの時は休み明けに新しくチャレンジしたいと思うようなことを考えていることも多いです。そういったことをするのが楽しみだという面はありますが、やはり学校に行くのは面倒だという思いもあります。この回のテーマにあるように生活リズムが崩れていることもいつものことです。
保護者から「子供の生活リズムが崩れてしまい困っています」という相談をもらった時は、上でも書いたように「誰にでもあること」として、寄り添うようなスタンスで話を聞くと良いでしょう。そのうえで、具体的にできることをアドバイスしていきます。
生活リズムを整えるポイント
生活リズムにおけるポイントは「朝起きること」だとされています。生活リズムが崩れ、眠る時間が遅くなり、その結果、朝に起きる時間が遅くなってしまうような状況において、改善のポイントは「朝起きること」です。眠る時間が遅くなり、睡眠時間が短くなったとしても、朝の決めた時間、たとえば、午前6時半に起きるようにします。そうやって朝の時間をリセットすることで、生活リズムは整いやすくなります。その際、「昼寝をしないこと」も大切です。せっかく朝早く起きたとしても、昼寝をしてしまうと夜に眠る時間が遅くなってしまいがちです。生活リズムを整えるポイントは「朝早く起きて、昼寝をしない」ことです。こういったことを保護者や子供に伝えていくことは良いことでしょう。
私が小学校の学級担任をしているには、生活リズムを整えること等をイメージして、学校が始まる1週間くらい前に子供宛てに手紙(残暑見舞い)を送っていました。文面は「もうすぐ2学期ですね。生活リズムを戻すようにしてください。始業式の日に笑顔で会えることを楽しみにしています。」というような感じです。葉書で送ることで親が見ること多くなります。生活リズムを整えることは親にも関わりがあります。子供向けの葉書ですが、ある意味で親向けでもあります。
また、長期休業における生活リズムの崩れは、親の就労状況とも関連があります。両親が共働きで家にいないのか、そうでないのかということです。共働きの場合、朝から学童等へ行く場合が多いです。親の出勤と合わせ、規則正しい生活をしている子供は、もちろん生活リズムが崩れにくいです。担任としては、そういったことも意識しながら、子供と関わっていくと良いでしょう。
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