導入効果が大きい
「オンラインでの欠席連絡」
新型コロナウイルスの流行によって学校の仕組みにたくさんの変化がありました。学びを中心にICTの活用が進んだことはその中でも大きなものです。その変化は学びだけに留まりません。
コロナの流行によって劇的に学校の仕組みがスマートになったものがあります。その1つが、オンラインを活用した欠席連絡です。コロナの流行前からオンラインを活用した欠席連絡を活用している学校は少数ながらありました。それがこの2年間のコロナの流行によって多くの学校で取り入れられる状況となっています。
オンラインでの欠席連絡は、導入することの難易度は高くないにも関わらず、効果はとても大きいものです。多くの学校が取り入れているのが納得できます。導入の具体的な効果は「時間の削減」「利便性の向上」「感染予防」等です。
時間の削減
「時間の削減」はとても大きなものです。コロナの流行が始まり、「濃厚接触者」「発熱」「感染が不安」等の理由で欠席する子供が増えました。特に第6波と呼ばれる2021年12月あたりからの流行では、子供の感染が急増し、学校は対応に追われました。そういった際の欠席対応を電話ですることはとても時間のかかるものです。職員室にいる事務職員や教頭(副校長)が電話を受け、それを学級担任に伝える必要があります。1人への対応が1分かかるとしたら、30人で30分です。とても大きな時間です。それも朝の忙しい時間での対応です。
利便性の向上
「利便性の向上」もあります。電話連絡でなく、紙の連絡帳で欠席連絡を行っている学校もあります。連絡帳の場合、親が誰かにその連絡帳を託すことになります。学校内に兄弟がいれば、その兄弟に頼めば良いですが、いない場合は、同じ登校班の人等に託すことになります。連絡帳を渡された人がしっかりとした子供であれば、きちんと最後(休んだ子供の担任)まで伝わるのですが、そうではないこともよくあります。また、オンラインで欠席連絡をすれば、どこであっても情報にアクセスすることができます。職員室でも教室でも簡単に確認をすることができるようになります。デジタルで処理されたデータであれば、月末に出席簿の対応をする際も簡単に処理をすることができます。
感染予防
最後は、「感染予防」です。紙の連絡帳を用いたやり方ではどうしても人と人がもののやり取りをする必要があります。コロナの感染やその疑いがある場合、可能な限り、接触を避けることが望ましいです。オンラインであれば、互いに安心して連絡をすることができます。
親から「欠席連絡をメールかアプリで行いたい」と言われたら、年度途中からでもやり方を変えていって良いと思います。現在は、ほんのわずかの学校が試験的に取り組んでいる状況ではありません。多くの学校が取り組み、ノウハウが蓄積されています。「欠席連絡 アプリ」等のキーワードで検索をすれば、簡単に見つかります。はじめにも書いたように導入のハードル(手間、コスト等)はとても下がっています。文部科学省も「StuDX Style(スタディーエックス スタイル)」という取組みの中で「欠席連絡をデジタル化」というテーマで事例を紹介しています。こういったことが進み、学校が本来大切にしていきたいことのために時間をたくさん使うことができるようになっていくことを願います。
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