プログラミングの概念である順次処理や繰返し、条件分岐についても計画的に扱っている。特別支援学校での事例や、小学2・3年生でも実施できる事例も多数紹介しているので、各校でプログラミング教育のカリキュラムを作成する際に参考になるという。
プログラミング教育が、思考力・判断力・表現力の向上に役立つ
小学6年生の理科の授業では、「私たちの生活と電気」という単元で、センサーを利用した照明をプログラミングする体験を行った。明るさセンサーと人感センサーを用いたプログラミング体験を通して、作ったり蓄えたりした電気を効率よく利用する方法を考えていく。
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実証授業を行った柏市内3校の児童に、「センサーのプログラミングは難しかったか」という質問をしたところ、「とてもそう思う、まあそう思う」の合計が76%だった。ほとんどの子供は、ツールを活用するプログラミングが初めてだったこともあり、困難さを感じたようだ。一方で、「センサーをうまく動かせるように考えるのはおもしろい」が97%であることから、本実践でプログラミングを体験したことは、「難しいけどおもしろい」と感じていることがわかった。
本事例では、子供が難しいと感じながらも試行錯誤して、各自が計画したプログラムを完成しており、そこに、論理的思考力が育まれる場面を創り出すことができたものと考えられる。
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<協力:小学館>
発行:小学館 監/佐和伸明 編/柏メディア教育研究会 編/柏市教育委員会
<編集者からのおすすめ情報>
柏市は30年以上、プログラミング教育を実践している。同書はさらに内容をバージョアンアップし、教育委員会の全面協力で作成されている。