さいたま市教育委員会と三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2021年12月24日、金融経済教育において連携する協定の調印を行い、同証券と「教育と探求社」が共同開発する「金融経済教育プログラム」を2022年度からさいたま市内の小学校で導入することを決定した。 このプログラムでは、お金に関する知識の習得だけでなく、主体的に考える力を養うために、カードを用いた話し合いや、答えのない問いを巡る対話を重ね、探究型の学びを展開する。2022年度は市内10区で1校ずつ、高学年の授業での導入を目指す。また学校現場の希望があれば、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員を講師として派遣する予定をしている。 調印の記者会見で、さいたま市教育委員会の細田眞由美教育長は、「変化の激しい予測困難な時代を生きる子供たちが、金融経済に関する基礎的なリテラシーを身につけるのは避けて通れない課題。金融や経済での探究的学びから生き方や価値観を磨き、よりよい社会に向けて主体的に行動できる子供たちを育成することが、ますます重要になると確信している」とコメントした。 また、三菱UFJ モルガン・スタンレー証券の本城史朗執行役員広報部長は「金融経済教育プログラムはすべて探究学習の要素を入れている。金融経済をより生きたもの、生活の中で使えるよう、将来に活用できるよう、開発プログラムを提供した。プログラムの提供は、子供たちのよりよい将来を実現する力になりたいという弊社の願いが叶うことであり大変うれしく思う」と述べた。 プログラムの開発にあたった福島創太開発部マネージャーは、子供たちに「お金を大切に使う」ということの意味を尋ねた際、「無駄遣いをしない」という答えが多かったが、何が無駄なのかをよく考えないまま答えていることに気づいたという。そこでこのプログラムでは、身の回りの物や活動の値段を考えながら、人それぞれの価値観の違いに触れたり、お金の限界や可能性を探る形にし、その中で「お金を大切に使う」意味を自身で考えられるようにし、お金の力を主体的に学べるように考え開発した。