文部科学省は、オミクロン株に対する水際措置の強化にともなう海外在住の外国人入学志願者の対応について、国公私立大学等に通知した。入国できない海外在住の外国人入学志願者のため、オンライン試験等の代替措置により受験機会を確保するよう求めている。 今般、南アフリカ等で確認された新たな変異株であるオミクロン株への対応として、「水際対策強化に係る新たな措置(20)」に基づき、緊急避難的な予防措置の観点から11月30日以降、12月31日までの間、すべての国・地域からの外国人の新規入国を停止。外国人の新規入国に係る受入責任者から業所管省庁への申請受付と帰国・入国前の事前審査を12月31日まで停止し、業所管省庁から受入責任者に対する新たな審査済証の交付を行わないことになった。 これにともない、文部科学省は11月30日に国公私立大学長、12月1日に専修学校設置者等に向けて通知を発出。海外に在住する外国人入学志願者が出願可能な個別入試の扱いについて、対応をまとめている。 外国人入学志願者が出願可能な選抜については、募集要項で入国できない場合の扱いを明記している場合を除き、ICTを活用したオンラインによる試験の実施等の工夫により、渡航をともなわない方法により代替措置を講じることで受験機会を確保。代替措置を講じる場合は、Webサイト等を通じ外国人入学志願者に周知を図る。それ以外の選抜についても、受験機会の確保に努めることが望ましいとした。 外国人に対象を限定しない選抜において、各大学が講じる措置が新型コロナウイルス感染症への対応としての追試験の設定や追加の受験料を徴収せずに別日程への受験振替に相当すると認められる場合、この措置による入学者は、「令和4年度(2022年度)大学入学者選抜における追試験等受験者の定員管理に係る国立大学法人運営費交付金および私立大学等経常費補助金の取扱いについて」により、例外的な定員管理の扱いとする。 また、入学者選抜に合格し、入学の意思があっても、当面の間は入国できない可能性もあり、必ずしも大学等が予定している入学時期に入国できるとは限らないことから、入学までの各種手続き、補講や履修登録に関する柔軟な対応(期間の延長等)、必要となる修学上の配慮措置についても具体的に検討し、学生に幅広く情報提供するよう求めている。 大学入学共通テストを受験予定であった海外在住外国人は、「水際対策強化に係る新たな措置(20)」により受験できなくなることから、大学入試センターから外国人入学志願者にその旨を連絡。各大学には、受験を希望する外国人入学志願者から代替措置の有無等に関する問合せがあった際の対応を依頼している。