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文科省「コロナ禍の職業教科の実習等に関するQ&A」一部更新

 文部科学省は2021年9月7日、「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた職業に関する教科の実習等に関するQ&Aについて(一部更新)」をWebサイトに公表した。校外での実習実施が困難な場合の代替について等、3つの問いに具体的に回答している。

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新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた職業に関する教科の実習等に関するQ&A
  • 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた職業に関する教科の実習等に関するQ&A
  • 新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について
 文部科学省は2021年9月7日、「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた職業に関する教科の実習等に関するQ&Aについて(一部更新)」をWebサイトに公表した。校外での実習実施が困難な場合の代替について等、3つの問いに具体的に回答している。

 文部科学省では、新型コロナウイルス感染症に対応した高等学校等における教育活動の実施について、随時その留意事項等について示すとともに、文部科学省Webサイトにて「教育活動の実施等に関するQ&A」を示している。今回、職業に関する教科の実習等に関するQ&Aについて、一部更新した内容をまとめてWebサイトに公表した。今後の状況に鑑み、さらに更新する可能性もあるが、現時点での情報として各自治体や学校法人に高等学校等への周知を呼びかけている。

 問1では、「職業に関する教科における実習等の指導においては、どのようなことに留意する必要があるか」との問いに対した回答を掲載。共通事項として、学校内での実習や産業現場等学校外での実習を実施する際には「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」等に示す感染症対策を講じたうえで、3密を避けることに留意しながら、事前に生徒の健康観察を行う、マスクの着用や共用の教材、教具、機器、設備等の複数の人が頻繁に触る部分について適切に消毒するとともに常時換気する、といった対策をとるよう示している。

 さらに、実習の説明をする際には書画カメラやビデオ映像を活用して事前に作業を示す、生徒・教職員の対応マニュアルを作成して周知徹底することで認識の共有を図る、等の取組みを求め、農業、水産、家庭、看護、福祉の各教科についてもそれぞれ具体的な留意点を示している。

 問3では、「国家資格等の養成課程において必要とされる校外での実習の実施が困難な場合、校内での実習で代替することが考えられるが、具体的な実践例はどのようなことが想定されるか」との問いに対する回答を掲載。国家資格等の養成課程において、新型コロナウイルス感染症の影響により校外における実習の実施が困難な場合、「看護師」「介護福祉士」「海技士」等、特例的に校内での実習で代替することが認められているものもあるとして、校内での実習で代替する場合の具体的な実践例を示している。

 たとえば、「看護(看護師、准看護師)」の場合、看護が必要とされる場面の再現による演習として、模擬事例等を参考に患者を想定し援助方法を検討、実際にモデル人形や学生、教員等を患者として演習を行う。看護過程の展開として、事例についてアセスメントし看護計画を立案したのちにその妥当性を検証するために演習を行う。といった例を示し、その他、シミュレーターによる演習や、看護師による講義・実演、グループディスカッションを取り入れる代替案を示している。

 なお、医療関係職種等の養成課程(看護師、准看護師、介護福祉士、調理師)における実習については、厚生労働省と協議し、実習の代替措置等の柔軟な対応が可能であることや、授業時間が短縮した場合であっても、当該学校等において必要な単位もしくは時間を履修し卒業した者については、国家資格の受験資格が認められる旨の事務連絡が発出されている。

 Q&Aの全文はWebサイトから確認できる。
《畑山望》

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