文部科学省は2021年6月15日、大学や高等専門学校、教育委員会等に向けて、国内外でワクチン接種が進捗しつつあること等を踏まえて、大学間交流協定等に基づく1年間の海外留学プログラムについて、学生の安全確保に万全を期することを前提に再開すると通知した。 海外留学プログラムの再開にあたり、渡航先の感染状況や感染防止策、感染した場合の現地の医療体制の確認の他、帰国時の防疫措置の把握、帰国ルートの確保、保険加入の徹底等を求めている。また、学生に対しては、感染症危険情報レベル2(不要不急の渡航取り止め)やレベル3(渡航中止勧告)の国・地域への留学であることをあらかじめ周知し理解させるようにしてほしいという。 留学を大学等の教育課程の一環としている場合であっても、新型コロナウイルス感染症への不安等により留学を希望しない学生には留学の代替措置を講じる等、留学しないことが学生にとって不利な取扱いとならないよう配慮を求めた。 留学する学生へのワクチン接種については、可能な範囲での配慮を要請している。文部科学省は、留学先でワクチン接種が必要とされている留学予定者に対して大学拠点接種の中で接種を受けられるよう支援する枠組みを作ったことから、必要に応じてこれを活用してほしいと呼びかけている。留学希望者へのワクチン接種についての詳細は、文部科学省のWebサイト等で確認できる。 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度である「海外留学支援制度(協定派遣型)」「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」についても、感染症危険情報レベル2(不要不急の渡航取り止め)やレベル3(渡航中止勧告)の国・地域への渡航による奨学金の支給を再開する。奨学金支給開始は2021年8月からとし、派遣期間9か月以上の派遣プログラムを対象とする。奨学金等の支給に必要な手続きは、日本学生支援機構からあらためて対象となる大学等に連絡するという。 一方で、特にインド、パキスタン、ネパールへの短期渡航、その中でも特に日本への再入国または帰国を前提とする短期渡航については、当分の間、中止するよう強く要請されているため、これらの国への渡航は控えてほしいとしている。