教育業界ニュース

東大、親子の安心感を育成する絵本「あんしんゲット!」発売

 東京大学 臨床心理学コースの下山晴彦教授は2021年6月7日、最新の認知行動療法に基づき開発した親子で安心感を得られる絵本シリーズ「あんしんゲット!」を発売した。おもに幼児~小学校低学年を対象に、子供たちの不安に対処し、親子で安心感を得られる絵本5種類を展開。

教材・サービス その他
「あんしんゲット!」絵本シリーズ5冊と活用している認知行動療法技法
  • 「あんしんゲット!」絵本シリーズ5冊と活用している認知行動療法技法
  • 東京大学 プレスリリース
 東京大学 臨床心理学コースの下山晴彦教授は2021年6月7日、最新の認知行動療法に基づき開発した親子で安心感を得られる絵本シリーズ「あんしんゲット!」を発売した。おもに幼児~小学校低学年を対象に、子供たちの不安に対処し、親子で安心感を得られる絵本5種類を展開する。

 東京大学大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 臨床心理学コースの下山研究室は、2011年の東日本大震災において多くの子供が心理的トラウマを経験し、そこからの回復が重要なテーマとなったことから、国際的NPO「Children&War Foundation」のトラウマ回復支援ツール「Teaching Recovery Techniques」をもとに、不安を分かち合いながら安心感を育成する日本の子供用心理教育プログラム「安心GET」を開発。感情のセルフコントロールを強調する欧米とは異なり、相互関係の中で生じる感情を重視する日本人の性質に沿った内容とし、日本の教育現場や子供の置かれた環境を考慮して、学校の授業で教員も実施できる映像教材として「安心GET」プログラムを展開した。

 下山研究室は、1年以上にわたるコロナ禍での生活環境によって子供の不安行動が親の不安や怒りを増大させて親子関係の悪化を招く悪循環が生じ、結果として親による子供への虐待が増加していることを受け、悪循環がもっとも起こりやすい幼児期~小学校低学年の不安をサポートすることを目的に、親子で不安に対処する絵本シリーズ「あんしんゲット!」を開発。小学校高学年向けの「安心GET」の研究成果を生かしながら、幼児~小学校低学年児童の不安対処に有効性のある最新の行動認知療法に基づいたストーリー展開で、親子で楽しみながら日常生活で安心感を得るきっかけを提供する。

 今回シリーズとして、「おかあさんに おはなししたいこと」「ダメダメだー」「こわいみち まわりみち」「ふあんくんのきもち」「“めんどくさい”はSOS」の5冊をラインアップ。どれも物語世界を通して、不安な現実の中で安心感を得る方法や子供と大人の信頼関係の重要性を伝える内容で、巻末には用いられている認知行動療法の技法を解説付きで掲載している。家庭だけでなく学校での心理教育授業や心理支援の教材としても活用できるものとなっている。

 絵本は各2,090円(税込)。Amazonで購入できる。
《畑山望》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top