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オンライン授業「満足」56.9%…文科省調査

 文部科学省は2021年5月25日、「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」の結果を公表した。2020年度後期はオンライン授業がほとんど・すべてだったと回答した学生は全体の6割。オンライン授業の満足度は、不満より満足が上回った。

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 文部科学省は2021年5月25日、「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」の結果を公表した。2020年度(令和2年度)後期はオンライン授業がほとんど・すべてだったと回答した学生は全体の6割。オンライン授業の満足度は、不満より満足が上回った。

 「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」は2021年3月5日~27日、国立教育政策研究所と大学等の協力を得て、文部科学省が作成したWebサイトより学生が直接回答する方法で実施した。無作為に抽出した学生約3,000人のうち、有効回答者は1,744人。

 なお、調査対象者については、緊急事態宣言地域内・外、国・公・私・高専、学生数の規模別で層化し、学生数を比例配分することで約60校を抽出。各校で学部や学年のバランスを考慮し、50人程度を抽出した。

 2020年度後期に履修した授業のうち、「オンライン授業がほとんど・すべてだった」と回答した学生は59.6%。オンライン授業の満足度は、「満足」13.8%、「ある程度満足」43.1%、「どちらとも言えない」21.0%、「あまり満足していない」14.9%、「満足していない」5.7%、「未回答」1.5%。不満20.6%に対し、満足56.9%と、満足に感じる割合のほうが多かった。

 オンライン授業の良かった点には「自分で選んだ場所で授業を受けられた」「自分のペースで学修できた」、悪かった点には「友人等と一緒に授業を受けられず、寂しい」「レポート等の課題が多かった」「質問等、相互のやりとりの機会がない・少ない」「対面授業よりも理解しにくい」等が多くあげられた。

 2020年度に国や学校等から経済支援を受けていない学生は49.9%。このうち73.6%が、支援を受けていない理由を「必要ないため」と回答した。一方、「必要だったが、自分が活用できる支援策がよくわからなかったため」8.7%、「必要だったが、実際に相談・申請するには至らなかったため」6.2%と、約15%の学生が必要としながら申請に至っていなかった。

 2020年度にアルバイトをしていた学生は79.2%。アルバイト収入のおもな用途は、「娯楽・嗜好費・交際費」35.6%、「貯金」18.4%、「食費」17.5%の順に多かった。緊急事態宣言中の2021年1~2月のアルバイト収入が、2020年10~12月(未発令時)より大きく減少した学生は20.6%。「やや下がった(50~90%程度になった)も含めると、半数の学生が減少したと回答した。アルバイト収入が減少した理由は「バイト先の時短営業等により勤務時間が減った」が71.7%を占めた。

 学生生活において学生が抱える悩みは、授業等が37.9%、将来のキャリアが73.3%、経済的な状況が40.7%、学内の友人関係が29.1%。友人関係の悩みは学部1年生に多く、1年生に限ると46.3%にのぼった。悩みを改善・解決するための相談先は友人や家族、同級生等が多く、学内の相談窓口等へ相談する学生は17.4%にとどまった。また、自校からのWebサイトやメールによる情報発信を「見る」「時々見る」と答えた学生は7割を下回った。

 3月時点で退学を考えている学生は1.2%、休学を考えている学生は3.2%。これに対して、2020年度中に実際に退学した学生割合は1.95%、休学した学生割合は2.26%。文部科学省では、退学について「令和元年度(2019年度)中の割合(実績)が2.50%であったことも踏まえると、退学者が急増しているわけではない」としている。

 国や学校等への意見・要望では、「コロナ禍以前に戻すことなく、新しい大学の在り方を考えてほしい」「教員に対するオンライン授業のガイドラインの配布や講習会等の実施を進め、授業の質向上に取り組んでほしい」「授業料が高く、オンライン授業とするのであれば、学費を減額してほしい」「オンライン・SNS上の交流のみでは不十分」等、さまざまな声が寄せられている。
《奥山直美》

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