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GIGAスクール、端末出荷シェア「iPad」28%で首位

 「GIGAスクール構想」で導入される端末のメーカー別出荷台数は、AppleのiPadが210万7,935台にのぼり、シェア28.1%で首位となったことが、MM総研が2021年3月2日に発表した調査結果より明らかになった。

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GIGAスクール調達・導入端末のメーカーシェア(予定含む)
  • GIGAスクール調達・導入端末のメーカーシェア(予定含む)
  • WindowsとChrome OSのGIGAスクール調達・導入端末のメーカーシェア(予定含む)
  • GIGAスクール調達・導入端末のOSシェア(予定含む)
 「GIGAスクール構想」で導入される端末のメーカー別出荷台数は、AppleのiPadが210万7,935台にのぼり、シェア28.1%で首位となったことが、MM総研が2021年3月2日に発表した調査結果より明らかになった。

 調査は、全国自治体1,741の教育委員会を対象に実施し、1,514件の回答を得た。そのうち、端末の調達台数を回答した1,480の自治体において、GIGAスクール構想で調達する端末総数は749万2,074台にのぼる。調査時期は2020年11月24日~2021年1月27日。

 調査の結果、GIGAスクール構想で導入される端末のメーカー別出荷台数ではAppleのiPadが210万7,935台にのぼり、シェア28.1%で首位となった。その要因は、横浜市や広島市などで10万台規模の導入があったことによる。また、中核市や人口10万人未満の小規模自治体などでも幅広く導入されている。小学校低学年や特別支援学級、特別支援学校向けなどで部分的に導入する自治体も目立った。熊本市や豊中市などLTE通信搭載機を主力機種とした大型事例が見られたことも要因のひとつにあげられる。

 参入メーカーが複数あるMicrosoft Windows(以下、Windows)とGoogle Chrome OS(以下、Chrome OS)搭載端末に絞りメーカーシェアを集計すると、「Lenovo」が151万1,356台を出荷し、シェア28.1%で首位となった。その出荷状況を分析すると、LenovoはChromebookを109自治体、Windowsを127自治体に導入している。Windowsでは神戸市、Chromebookでは札幌市や千葉市で10万台規模の導入事例があった。Chromebookは、セキュリティや運用管理、クラウド活用の観点から大規模自治体で多く支持を得ている。一方、Windowsは既存の資産活用の観点などから比較的人口の少ない地域での採用が多かった。それぞれのOS特性にあわせて全国の顧客ニーズに応えたことが成功の理由と考えられる。

 2位の「NEC」は、107万6,292台を出荷し、シェア20.0%を獲得した。これまでWindows PCで教育市場を攻略していたが、今回の調査結果ではChromebookを139自治体に導入し、大きくシェアを伸ばした。NECは2月25日に教育機関向けのクラウドサービス「Open Platform for Education(OPE)」を通じたGIGAスクール構想への対応を発表し、自社の教育クラウド「OPE」の学習者用IDを150万発行(予定含む)と公表した。

 ついで、3位「HP」9.7%、4位「Dynabook」8.9%、5位「Fujitsu」8.2%で、「その他」14.6%、「未回答」10.5%。これまで小中学校向け端末では圧倒的なシェアを持っていた富士通の出荷台数は44万1,399台で、WindowsとChrome OS端末内でもシェアは8.2%にとどまった。

 公立小中学校に配布された端末(748万7,402台)に限ると、OS別では「Google Chrome OS」が327万8,110台で最多となり、43.8%のシェアを獲得した。ついで「iPad OS」210万7,935台(シェア28.2%)、「Microsoft Windows」210万1,357台(シェア28.1%)。自治体ごとにOSの分布を見ると、もっとも台数の多いGoogle Chrome OSを搭載したChromebookは、特に人口密度の高い都市部での採用が多かった。

 一方、Microsoft Windowsは地方部の採用が多く、iPadOSは小学校低学年や特別支援学級、特別支援学校などキーボードレスでの入力活用を想定するケースでの採用が多い傾向にある。
《工藤めぐみ》

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