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兵庫県教委、コロナの影響について小中学生を調査

 兵庫県教育委員会は2020年12月3日、「小・中学校における新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査結果」を発表した。臨時休業中、基本的な生活習慣の中で特に起床時刻が不規則になり、勉強以外の時間はゲームをして過ごしていた子どもが多かったという。

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毎日、同じくらいの時刻に起きていたか
  • 毎日、同じくらいの時刻に起きていたか
  • 朝から昼にかけて、誰と過ごすことが多かったか
  • 宿題以外にどのような勉強をしていたか(インターネットの活用)
  • 勉強以外にゲームをすることがもっとも多かったと回答した割合
  • 学校が休みだったことで、勉強を直接教えてもらえなかったことが残念だと思ったか
  • 夏休みが短くなり、学校に行く日が多くなったことは、しんどかったか
  • 今(調査時点の9月)の学校生活について、思うこと
  • 3月の臨時休業開始からこれまで、私のためにいろいろ考えて行動してくれたと思うか
 兵庫県教育委員会は2020年12月3日、「小・中学校における新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査結果」を発表した。臨時休業中、基本的な生活習慣の中で特に起床時刻が不規則になり、勉強以外の時間はゲームをして過ごしていた子どもが多かったという。

 調査は、長期間にわたる新型コロナウイルスへの対応が想定される中で、感染症が児童生徒にどのような影響を与えているかを検証し、今後の教育に生かすことが目的。兵庫県内の神戸市を除く各市町から小学校1校、中学校1校を抽出。ただし、尼崎市、西宮市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、明石市、加古川市、高砂市、姫路市は2校ずつ抽出し、調査した。

 小学校では5年生・6年生、中学校では1年生から3年生を対象に、児童生徒質問紙と教科に関する調査(国語・算数)を実施。調査日は、9月7日から18日までの中で調査協力校が設定した。

 臨時休業中について、基本的な生活習慣の中で特に起床時刻が不規則になっていた。また、家庭内で子どもだけ(兄弟姉妹もしくは1人)で生活していたのは、小学生約2割、中学生約3割にのぼる。宿題以外に、インターネットを活用した勉強をしていた児童生徒は約3割。学年による大きな違いはみられなかった。勉強以外の時間は、小学生・中学生ともにゲームをして過ごしている割合がもっとも多く、午前より午後の方が多い傾向にあった。

 臨時休業となり、勉強を直接教えてもらえなかったことを、残念だと思っていた割合は、入学後に勉強の機会がなかった中学1年生と、進路を控えた中学3年生で多かった。夏休みが短くなり、学校に行く日が多くなったことについては、小学生よりも中学生のほうが疲れを感じていることがわかった。

 調査を実施した9月時点で、多くの児童生徒が「学校は楽しい」「友達に会うのが楽しい」と思っていた。「勉強をするのが楽しい」と思う児童生徒は、学年が上がるにつれて減少する傾向にあった。

 3月の臨時休業開始からこれまでを振り返って、多くの中学生が、家の人や学校の先生に感謝の気持ちを抱いていたが、地域の人に対する感謝の気持ちを抱く割合は低かった。

 教科に関する調査では、臨時休業による学力への大きな影響はみられなかったが、2015年に実施した前回調査と同じ傾向の問題に学習面のつまずきがみられた。

 前回調査に引き続き、今回調査でも特に課題がみられた問題は、国語で小学校は「文の意味を考えながら、接続語を使って1文を2文に分けて書くこと」、中学校は「意味文を直した意図について、条件を踏まえて記述すること」。算数・数学で小学校は「2つの畑の面積の関係を表している図を選ぶこと」、中学校は「立方体を切り取った断面部分の三角形の形を選ぶこと」であった。

 兵庫県教育委員会は今後、質問紙調査と教科に関する調査のクロス集計を行うなどして、臨時休業中の児童生徒の生活や意識と学力との相関などについて分析するという。
《外岡紘代》

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