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学生のオンライン講義に関する意識、肯定評価が優勢

 学生を対象にオンライン講義と対面講義のどちらを希望するか聞いたところ、オンライン講義の希望者(40%)が、対面講義の希望者(33%)を上回ったことが、2020年10月14日に東洋大学が発表した調査結果より明らかとなった。

事例 ICT活用
受講しているオンライン講義全般についてどのように考えているか(自由記述/学生アンケート)
  • 受講しているオンライン講義全般についてどのように考えているか(自由記述/学生アンケート)
  • オンライン講義と対面型講義のどちらを希望するか(学生アンケート)
  • オンライン講義が、従来の対面型講義と比較して良いと思う点(学生アンケート)
  • オンライン講義が、従来の対面型講義と比較して劣ると思う点(学生アンケート)
  • 講義はどのような形式で行われているか(教員アンケート)
  • 従来の対面型講義と比べて、学生への教育効果は高まったと感じるか(教員アンケート)
  • 今後、オンライン講義と対面型講義のどちらの実施を希望するか(教員アンケート)
 学生を対象にオンライン講義と対面講義のどちらを希望するか聞いたところ、オンライン講義の希望者(40%)が、対面講義の希望者(33%)を上回ったことが、2020年10月14日に東洋大学が発表した調査結果より明らかとなった。

 コロナ禍対応のオンライン講義に関する学生意識調査は、東洋大学現代社会総合研究所ICT教育研究プロジェクトが全国15大学の学生を対象に実施したもの。2020年7月に調査を実施し、1,426名の回答を得た。また、主として学生アンケートとのクロス集計用に、調査担当教員20名にもアンケートを実施した。

 学生を対象にオンライン講義と対面講義のどちらを希望するか聞いたところ、オンライン講義を希望したのは40%、対面講義を希望したのは33%、オンラインと対面型の組み合わせを希望したのは5%だった。オンライン講義が従来の対面型講義と比較して良いと思う点を複数回答で答えてもらったところ、「通学時間がかからない」82%、「自分のペースで学習できる」68%、「自宅で学習できる」66%、「教室移動がない」61%、「私語がない」「復習が何度もできる」各34%の順に多かった。

 一方、劣ると思う点については、「自宅だとほかの誘惑に負けそうで授業に集中できない」43%、「(ネットワークやデバイスの不具合などで)音声や動画が途切れて聞き逃すことがある」39%、「開始・終了のメリハリがない」「教員ごとに使用するシステムが異なるため、混乱しやすい」各36%、「対面時よりも単調に感じてしまう」35%、「ほかの受講生とのディスカッションや交流が少ない」34%など、良い点に比べると分散していることがわかる。

 自由回答文の極性分類では、ポジティブ37%、ネガティブ28%と、肯定的な評価が多かった。ポジティブな回答としては、「時間に左右されること無く課題を行えるため意欲的に勉強することが出来てとても良い」「対面の授業では大勢がいる中で質問するのは気が引けますが、チャットだとそこまで心労はありませんし先生の存在をより身近に感じることができました」など。ネガティブな回答としては、「対面型授業と比べて、他の人の学習状況や就職活動状況がわからなくて不安になる部分がある」「対面授業の時よりも生徒同士で何かに取り組んだりする場が減ったため、とてもモチベーションが低くなった」などがあがった。

 教員を対象に、講義はどのような形式で行われているか聞いたところ、動画が85%(うち、リアルタイム35%、オンデマンド50%)、文書による課題提示が15%という結果に。従来の対面型講義と比べて学生への教育効果は高まったと感じるかという問いに対し、高まったと感じていたのは40%、落ちたと感じていたのは20%だった。今後、どちらの講義の実施を希望するかと聞くと、オンラインを希望が50%、対面を希望が25%という結果だった。
《桑田あや》

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