文部科学省は2020年8月28日、2001年(平成13年)出生児(高校3年生相当)を対象とした「21世紀出生児縦断調査」の第18回調査(2019年)の結果を公表した。休日の勉強時間は「3時間以上勉強する」と「しない」がいずれも過去最多となり、二極化の傾向がみられた。 「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)」は、2001年(平成13年)に出生した子どもの実態や経年変化の状況を継続的に観察するため、2001年から厚生労働省が毎年実施し、2017年から文部科学省が調査を引き継いでいる。対象は、2001年1月10日~17日、7月10日~17日に出生した子どもで、年齢は18歳(高校3年生相当)。 授業の予習・復習や受験勉強など、家や塾での休日の勉強時間は、「しない」30.3%、「1時間未満」12.3%、「1~2時間未満」10.2%、「2~3時間未満」8.3%、「3~4時間未満」6.5%、「4~5時間未満」5.8%、「5~6時間未満」5.0%、「6時間以上」19.2%。3時間以上勉強する人の割合が36.4%と、これまでの調査でもっとも高くなった一方、「しない」と回答した人も30.3%と過去最多となり、二極化傾向がみられた。 進学希望別にみると、大学または大学院への進学を考えている人では、6時間以上勉強する割合が前回の第17回調査より大幅に増加。大学進学希望者は2.4%から26.7%、大学院進学希望者は9.3%から49.5%に上昇している。勉強時間は全体として長くなっているが、ほかの進路希望者では「しない」という回答が増えており、進学希望別によって状況は大きく異なっている。 悩みや不安については、「進路に関すること」が男女とも最多だったが、その割合は前回の第17回調査よりやや減少。男女とも前回調査では2番目に多かった「学校や塾の成績に関すること」は割合が減った。「自分の容姿に関すること」は、第13回調査(中1相当時)以降毎回増加しており、女子は2番目に高い項目となった。 将来の進路については、「具体的にはまだ考えていない」が男女とも第13回調査から毎回減少し、今回は男子4.2%、女子2.4%にとどまった。全体では、「大学卒業後に働く」と回答した割合が、男子51.1%、女子53.9%ともっとも多かった。就きたい職業が決まっている人の割合は、第16回調査(高1相当時)以降、男女とも年々増加し、今回は男子55.7%、女子67.3%と、これまでの調査でもっとも高かった。