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9月入学、拙速な変更は課題多すぎ…全国連合小学校長会

 全国連合小学校長会は2020年5月14日、「9月入学・始業の導入に関わる意見書」を文部科学省に提出した。9月入学・始業の課題や憂慮される事項を具体的にあげ、拙速な変更には課題が多すぎると指摘。収束後に時間をかけて検討するよう求めている。

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 全国連合小学校長会は2020年5月14日、「9月入学・始業の導入に関わる意見書」を文部科学省に提出した。9月入学・始業の課題や憂慮される事項を具体的にあげ、拙速な変更には課題が多すぎると指摘。収束後に時間をかけて検討するよう求めている。

 学校の臨時休業の長期化に伴い、9月入学・始業についての議論が世論を二分している。全国連合小学校長会では、「学校再開時の諸課題の解決や第二波への体制作りと並行して議論するべき内容ではないか」との考えから、9月入学・始業によって想定される課題をまとめ、意見書として文部科学省に提出した。

 9月入学・始業に関わる課題については、「社会全体のコンセンサスが必要」「導入に向けた準備が多方面にわたる」「移行期間の課題が多岐にわたる」「教育課程に関わる課題が広範囲」「移行期間に関わる経費が膨大」の5点をあげている。

 具体的には、導入に向けた準備の課題として「学齢の考え方の変更」「教職員の人事」、移行期間の課題では「年度の重なりによる児童数の増加」「教員採用の時期や教員配置への対応」などを示している。

 9月入学・始業に関わって憂慮される事項については、「時間的問題」と「根本的問題」があると指摘。「新型コロナウイルス対応の中で、会議体を作って検討する余裕はあるのか」「9月に正常な学校運営ができている保障はなく、現時点での子どもたちの学ぶ権利の保障の解決策とならないのではないか」などの疑問を投げかけている。

 意見書では、「9月入学・始業が導入されれば、あたかもこれまでのすべての課題がすべて解決されるという短絡的な考え方には違和感をもつ」とも指摘。「このような状況下でなければ実施できないという声もあるが、新型コロナウイルス対応下で導入されることとなれば、学校は大きな混乱をきたす」「拙速に変更することには課題が多すぎる」とし、本格的な検討は新型コロナウイルスに一定の収束が見られたあとに十分に時間をかけて行ってほしいと求めている。

 このほか、全国連合小学校長会では5月14日、「新型コロナウイルス感染防止のための新しい行動様式に対応した諸条件の整備」「子どもたちの学力保障のための教育課程の特例措置等」についても文部科学省に要望した。

 要望事項は、「学校再開のための指針等の策定」「学校再開後の安全確保のための環境整備」「感染者発生時の対応マニュアルの策定」「学習指導要領の取扱いに関する特例措置の施行」「ICT等を活用した授業のための環境整備の促進」の5点。学校現場に課題が山積し、今後、第2波や第3波も想定される中、児童や教職員の健康・安全を前提とした学校再開後の学校運営がスムーズに進行するよう、各事項の実現を強く求めている。
《奥山直美》

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