文化庁は2026年10月2日、2025年度(令和7年度)「国語に関する世論調査」の結果を発表した。国語への関心は8割を超える一方で、「見れた」「出れる」といった「ら抜き言葉」の使用は全体で半数を超え、16~19歳では7~8割に達した。
同調査は、日本人の国語に関する意識や理解の現状を把握し、今後の国語施策の立案に資する目的で実施している。今回の調査は2026年1月13日~3月3日に全国の16歳以上の日本国籍を有する男女6,000人を対象に郵送法で行われた。有効回答数は3,777人(有効回答率63.0%)。
日常の言葉遣いや書き方など、国語全般に対する関心について「関心がある(計)」と答えた割合は83.1%にのぼった。関心をもつ具体的な項目では、「日常の言葉遣いや話し方」が77.0%、「敬語の使い方」が48.6%などとなった。
言葉遣いについて、動詞の可能表現である「ら抜き言葉」をみると、「初日の出が見れた」は53.8%、「朝5時に来れますか」は53.3%、「早く出れる?」は51.0%と、いずれも全体で半数を超えた。16~19歳では「見れた」が81.3%、「出れる」が77.7%、「来れますか」が73.2%に達し、若い世代ほど高い割合となった。
慣用句などの意味についても、本来の意味とは異なる捉え方が広がっている語句がみられた。「ひもとく」は本来の「関係する書物を読む」が13.1%だったのに対し、「真相を明らかにする」が69.9%。「流れに棹(さお)さす」も、本来の「傾向に乗って勢いを増す」が22.7%にとどまり、「傾向に逆らって勢いを失わせる」が68.9%を占めた。
「気が置けない」は本来の「遠慮をしなくてよい」が47.4%で全体ではもっとも多かったが、30代以下では「遠慮をしなくてはならない」が過半数となった。「噴飯もの」も、本来の「おかしくてたまらない」が34.1%であるのに対し、「腹立たしくて仕方ない」が55.1%となった。
一方、学校現場での言葉遣いについては、一定の意識がみられた。学校の先生が生徒の保護者に同僚について話す際の望ましい呼び方では、「田中先生は…」が71.9%ともっとも多く、「田中教諭は…」が17.2%、「田中は…」が8.1%となった。20代では「田中先生は…」が82.7%に達した。
国語に関して国に期待する施策では、「家庭や社会で正しい言葉遣いが行われるようにする」が48.4%、「言葉の意味・由来や国語の伝統が受け継がれるようにする」が47.6%で上位となった。「学校での国語の教育をより充実させる」は37.9%、「敬語など言葉遣いの標準を決めて、その普及に努める」は37.5%だった。
文字の使い方にも年代による違いが表れた。日常生活で縦書きの文字を読んだり書いたりする機会が「ある(計)」と答えた割合は、16~19歳で79.5%だったのに対し、20代では54.8%に低下した。16~19歳が縦書きに触れるおもな場面は「教科書」が71.9%と突出していた。
また文字を手書きする機会が「ある(計)」と答えた割合は、16~19歳で87.5%と全年代でもっとも高かった。手書きの習慣を「大切にすべきであると思う」と答えた割合も、全体で80.4%、16~19歳で84.8%となった。














