政府はデジタル社会形成基本法に基づき、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を策定している。同計画は、デジタル社会の実現に向けた理念や施策の方向性、具体的な取組みをまとめた国の基本方針だ。
2026年版の重点計画は7月21日に閣議決定された。リシードでは、同計画に盛り込まれた教育分野の施策を順次紹介する。今回は、「先進的なAI活用事例の創出」を取りあげる。
校務での生成AI活用を促進、教職員の50%以上を目指す
本計画では、教職員や児童生徒が「安全かつ主体的にAIを活用」できる学習環境の構築を推進する。初等中等教育段階における生成AIの活用に関しては、特定の立場からの偏見や差別に基づく回答、学習過程の過度なショートカット、思考の依存といったリスクが指摘されている。これらに対応し、政府は2026年度(令和8年度)中に「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」を改訂する方針だ。あわせて、ガイドラインの理解・遵守を促進するための体系的な研修機会を充実させるとともに、教育分野特化のAIについて国産LLM(大規模言語モデル)の活用も含めた開発や、学校現場における実証研究を推進する。
また、AIの実装に不可欠な学習指導要領や参考資料、教科書などのデータについて、2030年度(令和12年度)までに機械可読化・構造化(AI-Ready化)を進め、セキュリティを確保したクラウド環境の整備を推進する。「生成AIパイロット校」の指定や、実証的な成果を周知・広報するWebサイトの運営、校務での利活用に関する調査研究も実施していく。具体的な目標として、半分以上の教職員が生成AIを校務で活用する学校の割合を、2027年度(令和9年度)までに50%以上とすることを目指す。これらの取組みを通じて、教育データの効果的な利活用を進めることで、学校現場における働き方改革のさらなる推進や、教育課題の解決につなげていく考えを示している。








