文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は2026年6月24日、「民間企業の研究活動に関する調査報告2025」を公表した。インターンシップによる人材確保や新規事業での共同研究、情報収集など、企業活動を支える大学の重要な役割が明らかになった。
同調査は、民間企業の研究活動における基礎データを収集し、科学技術・イノベーション政策の立案・推進に資することを目的に毎年実施。2025年度調査は、資本金1億円以上、かつ社内で研究開発を行っている企業を対象に実施し、1,910社から回答を得た。
研究開発者(新卒・中途)を採用した企業の割合は56.9%で、前年度より増加。このうち中途採用で研究開発者を採用した企業の割合は2年連続で増加。1社あたりの中途採用研究開発者数も、2020年以降4年連続で増えている。
大学卒業者の採用のうち、修士号取得者を採用した企業は38.5%、学士号取得者は34.5%、博士課程修了者は10.6%。過去3年間に採用した人材について、博士課程修了者は10.5%の企業が「期待を上回った」と回答し、ほかの学歴区分(学士7.7%、修士8.0%)よりも高い評価を得た。また博士課程修了者については、8割弱の企業が「求める人材から応募があれば採用する」と回答した。
学士・修士課程採用では、即戦力を求められる中途採用と異なり、「研究開発者としての資質や潜在能力」(71.5%)や、「自ら課題を見出し、新しい価値を生み出す能力」(58.3%)といった汎用的な資質を重視する傾向にある。
大学生を対象としたインターンシップは、学部生を対象に実施している企業がもっとも多く58.9%、ついで、修士課程学生45.6%、博士課程学生15.8%。インターンシップ実施企業のうち、約3割が「人材確保に特に効果的だった」と回答した。研究開発人材の確保に向けた取組みでは、インターンシップのほか、エージェント(職業紹介事業者)の活用も広がっている。
研究開発の促進に向けて他組織と連携している企業は77.4%だった。既存事業向けでは「大企業」との連携がもっとも多く60.5%を占めるものの、新規事業向けでは「国内の大学等」44.5%で最多となった。
大学との連携における課題は、「連携に関する調整に手間がかかる」(44.8%)、「適切な連携先を見つけることができない」(44.4%)、「契約に要する時間や手間が多大である」(41.6%)などが上位を占めた。
大学は研究開発の企画・実施における知的資源としての役割も担っている。既存事業では47.5%、新規事業では52.5%の企業が大学を情報源としており、展示会や学会につぐ割合を占めた。
調査ではこのほか、民間企業の研究開発投資が増加傾向にあることや、特定の研究分野への注力状況も明らかになった。2024年度に社内研究開発費を前年度より増額した企業は49.4%に達した。2025年度についても、増額を見込む企業がもっとも多かった。
また、特定分野の研究開発実施率については、「SDGsへの対応」が36.6%、「AI技術やSociety 5.0実現のための技術」が24.0%となり、企業の社会的責任やDXへの関心の高さが示された。さらに、知的財産活動の状況や、自社の既存事業拡大を目的としたM&A(合併・買収)の実施実態など、民間企業の戦略的な動きを多角的に分析している。














