文部科学省が設置する大学入学者選抜協議会は2026年5月27日、全国の大学長に対し「大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い」を通知した。総合型選抜や学校推薦型選抜において、一部大学で学力検査の結果に偏った選抜が前倒しで行われている事例が見受けられるとして、実施要項の趣旨に沿った適切な入学者選抜の実施を求めている。
大学入学者選抜実施要項は、大学入試の基本的なルールを定めるもので、高校・大学関係者らの協議を経て毎年度策定される。2026年度の実施要項では、志願者の能力や意欲、適性などを多面的・総合的に評価することを前提に、総合型選抜および学校推薦型選抜において、小論文・面接・実技や志望理由書、高校から提出される資料などと組み合わせて丁寧に評価を行う場合に限り、2月1日以前の個別学力検査の実施を可能とする変更が行われた。
しかし、協議会が2026年度入試の状況を確認した結果、一部大学で2月1日以前に実施する個別学力検査の配点割合が著しく高いケースや、他の評価要素が十分に点数化されていないケースが確認されたという。実質的に学力試験の成績のみで合否判定が行われているとみられる事例があり、総合型選抜や学校推薦型選抜の本来の趣旨に合致しないと指摘している。
今回の通知では、学力検査が評価・判定の大部分を占める選抜を2月1日以前に実施することは、「一般選抜の前倒し」に相当し、大学入学者選抜実施要項の趣旨から認められないとの考えをあらためて示した。
また、同日に公表された2027年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜および学校推薦型選抜について、本来の趣旨に立ち返り、原則として面接を必ず組み合わせて実施するよう変更を行うことが明記された。個別学力検査の成績を活用する場合も、他の評価方法とのバランスを確保し、多面的・総合的な評価を行う必要があるとしている。
さらに各大学に対し、アドミッション・ポリシーと評価方法の関係を見直し、評価方法ごとの配点割合を公表するなど、選抜の透明性向上に努めるよう要請した。高校や受験生、保護者から疑念を持たれることのないよう、学長のリーダーシップのもとで適切な入学者選抜を実施するよう求めている。








