文部科学省は2026年7月14日、地方の私立大学が設置者を公立へ変更(公立化)する事例が増えていることを受け、公立化を検討する際の留意事項を取りまとめ、全国の自治体や学校法人に通知した。
背景には、18歳人口の減少を見据えた高等教育改革がある。2025年2月の中央教育審議会答申では、高等教育機関の再編・統合や縮小、撤退を進める必要性が示されるとともに、私立大学の公立化についても、地域の人材需要や将来の運営見通しなどを十分に踏まえて検討するよう提言された。
通知では、大学の存続だけを目的とするのではなく、地域を支える人材育成や地域の発展への貢献という視点が重要だと指摘。地域の人口動向や産業界の人材需要を踏まえた適正な定員設定や、長期的に安定した学生確保の見通しを検討するとともに、地域の高等教育機関や産業界との協議、外部有識者の意見を取り入れた客観的な検討を求めている。
また、公立化以外にも、大学間の連携や再編・統合、規模縮小などの選択肢を十分に比較検討したうえで、複数のケースを想定した財政シミュレーションや、中長期的な施設・設備の維持管理を含めた将来の運営見通しを検証するよう求めた。
文部科学省は、地域構想推進プラットフォームなどを活用し、地域全体の高等教育の将来像を共有しながら、公立化が真に地域に貢献するものとなるよう丁寧に検討することが重要としている。
なお、教育・経営の両面で一定の質を確保できない私立大学については、学生保護や高等教育全体への信頼確保の観点から、撤退も含めた対応を進める必要があるとし、公立化はあくまで選択肢の1つとの考えを示している。









