文部科学省は2026年5月15日、全国でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、全国の教育委員会などに対し、児童生徒の安全確保を呼びかける通知を出した。各地域の実情に応じた具体的な安全教育の徹底を促すとともに、被害事例を踏まえた適切な対応を求めている。
春以降、全国各地で市街地や集落など人の生活圏におけるクマの目撃情報が増加している。例年、6月ごろからクマの出没が増える傾向にあり、今後、夏にかけての学校生活や登下校時の安全確保の徹底が求められる。
通知では、学校におけるクマ対策として、「連絡体制の整備とマニュアルの見直し」「登下校時・学校生活の安全確保」「安全指導・安全教育」「関係機関との連携」の4つの観点から具体的な対応策を示した。
クマが出没した際の対応を定めた危機管理マニュアルについては、各地域の実情に応じて見直しや改訂を行い、迅速かつ的確に対応できるよう、学校内や関係者間の連絡体制を整備しておくよう求めている。
また、通学路の安全点検はクマの出没状況に応じて実施し、必要に応じて通学路の変更なども検討する。安全確保のための携帯品としては、クマ鈴やホイッスルなどの活用をあげている。
あわせて、児童生徒に対しては、クマに遭遇しないための工夫や、万が一出会った際の対処法について、環境省の資料「―クマによる人身被害事例から―クマに出会わないためにできることや出会ってしまった時の対処について」などを参考に、安全指導を徹底するよう求めた。
さらに、クマの生息地域にある教育委員会(岩手県花巻市や秋田県男鹿市など)の取組事例も参考にし、出没時を想定した指導を実施するよう要請。地方公共団体の鳥獣行政担当部局や警察など関係機関と密接に連携・協力し、出没時に迅速に対応できる体制を整えるよう求めている。
文部科学省では、こうした取組みを支援する事業を実施している。たとえば「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」では、児童生徒が携帯するクマ鈴やホイッスルなどの購入費を含む必要経費を支援。加えて、「学校安全教室推進事業」や「学校安全総合支援事業」を通じて、安全指導・教育への支援も行っている。
なお、今回の通知は、すべての学校に一律の対応を求めるものではなく、地域の実情に応じて適切に判断し、効率的・効果的に取り組むよう呼びかけている。













