教育業界ニュース

先生と企業が共創する「TEAM学校プロジェクト」福岡で始動

 福岡の異業種7社とオブザーバー福岡市による共同事業体「Fukuoka Smart City Community(FSC)」は2025年11月18日、LX DESIGN、EduPorte(エデュポルテ)と協働し、学校と地域社会をつなぐ新たな教育共創モデル「TEAM学校プロジェクト」を始動すると発表した。

教育行政 その他
先生と企業が一緒に授業づくりをする「TEAM学校プロジェクト」始動
  • 先生と企業が一緒に授業づくりをする「TEAM学校プロジェクト」始動
  • Fukuoka Smart City Community

 福岡の異業種7社とオブザーバー福岡市による共同事業体「Fukuoka Smart City Community(FSC)」は2025年11月18日、LX DESIGN、EduPorte(エデュポルテ)と協働し、学校と地域社会をつなぐ新たな教育共創モデル「TEAM学校プロジェクト」を始動すると発表した。先生と企業がTEAM(チーム)となり、地域の子供たちに向けた授業を共創する取組みだという。

 近年、学校教育と社会との間には「文化的・制度的な壁」が存在し、先生が気軽に外部リソースを頼ることが難しい状況が続いている。一方で、地域には教育に貢献したい意志をもつ企業や企業関係者が数多く存在している。「TEAM学校プロジェクト」は、その両者をつなぐ「共創の仕組み」を構築することで、主体的・対話的で深い学びの実現、社会とつながる学びの提供、地域資源の教育活用を同時に実現することを目的としている。

 プロジェクトの特徴は3つある。1つ目は、先生×企業の共創による授業開発。出前授業を「一方的に提供する」形ではなく、学校の課題・文脈に寄り添いながら共に企画する。2つ目は、地域全体で教育を支える「TEAM学校」の実装。教員・企業・教育委員会・地域住民など、教育に関わるすべての人がTEAM(チーム)として協働する。3つ目は、福岡発のモデルとしての発信・拡張性。FSC・LX DESIGN・エデュポルテが連携し、自治体を巻き込んだ横展開を想定している。

 プロジェクトの流れは、12月14日に授業づくりワークショップを開催する。有志の先生とプロジェクト参画企業がチームを組み、授業を共創する。運営チームがファシリテーターとしてメンタリングを実施する。2026年1月18日には、福岡市立草ヶ江小学校で公開授業イベントを実施。共創チームによる授業を実施し、一般公開・メディア取材も可能とする。2026年以降は、地域の学校へ展開する予定で、各チームがブラッシュアップした授業を、福岡市および近隣自治体の学校で提供する。

 参画企業は、九州旅客鉄道、チャリチャリ、西日本鉄道、福岡銀行、LINEヤフーコミュニケーションズ、ラブエフエム国際放送。参加希望の先生方を募集しており、福岡県内在住で、同日程でプログラムに参加できることが条件となる。

 Fukuoka Smart City Community事務局(LINEヤフーコミュニケーションズスマートシティ本部内)は「これまでも、福岡の未来を担う人材育成のために職場訪問受け入れや出前授業など、地域企業の集合体としての取組みを積極的に行ってきた。今回は、現役教員の皆さんと共に一から授業づくりをするという新たな挑戦に踏み出す。この共創が子供たちにとってかけがえのない学びとなり、地域に新しい価値を生み出すことを願うとともに、どんな化学反応が生まれるのか今からとても楽しみにしている」とコメント。

 LX DESIGN執行役員CYO/CPROの佐藤志穂氏は「先生がすべてを背負うのではなく、社会全体で子供たちの学びを支えたい」、EduPorte代表取締役の宮崎麻世氏は「プロジェクトを通して、先生と企業がお互いを理解し合い、次世代の育成を共創していく起点となれれば」とコメントしている。

《風巻塔子》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top