岡山県立高梁城南高校の生徒が中心に準備を進めてきた「JONANホールディングス株式会社」が2025年9月に登記申請し正式に設立された。公立高校における株式会社設立は全国でも数少なく特に、工業系・農業系の専門高校が単独で株式会社を設立するのは全国初の取組みだという。
岡山県立高梁城南高校は、生徒の探究活動や地域連携をさらに発展させる取組みとして、地域と連携し「JONANホールディングス株式会社」を設立した。
「JONANホールディングス株式会社」では、運営を高校生たちに委ね、商品の企画販売、ワークショップやイベント企画運営、デザイン科のクリエイティブ力を生かしたデザイン制作などの事業を展開する予定。これにより、ものづくり系の専門高校の高校生でも、経営・会計・マーケティングなどを実践的に学ぶ機会を得ることができる。将来のキャリア形成、地域社会への貢献につなげていきたいとしている。
また、地域企業や自治体との協働をこれまで以上に深め、地域からの資金支援を循環させ、持続的に自走していく(=売上・利益を上げ、次のプロジェクトに回していく)、新しい学校と地域の共助のモデル構築を目指す。
株式会社設立プロジェクト(JONANホールディングス株式会社)とその運営を地域で支援、協働・共創していくために発足した地域コンソーシアム「高梁まなびとしごと未来共創コンソーシアム」は、「未来の教室」実証事業にも採択されている。
岡山県立高梁城南高等学校は、電気科・デザイン科・環境科学科の3学科を設置する専門高校。地域に根ざした学びと実社会に直結する教育活動を展開し、これまで課題研究や探究学習などで、生徒が主体的に地域課題に取組み、企業や自治体と協働したプロジェクトを数多く実施してきた。高校生がカフェを運営する「JonaCafe」、失敗を前向きに捉える学校風土を育てる「失敗の日」の開催など、ユニークな取組みで注目を集め、全国募集も行っている。