日本の高等教育の在学者1人あたりの公財政教育支出は、OECD平均の54%にとどまっていることが2025年9月9日、経済協力開発機構(OECD)が公表した報告書「図表で見る教育2025(Education at a Glance 2025)」より明らかになった。
「図表で見る教育」は、定量的で国際比較が可能な教育データとして毎年公表されている。
報告書によると、日本の大学など高等教育段階(研究開発を含む)への在学者1人あたりの公財政教育支出は8,184米ドル。OECD平均の1万5,102米ドルの54%にとどまる。
一方、日本は初等教育から高等教育以外の中等後教育までの在学者1人あたりの公財政教育支出が、加盟国や候補国の中では中位にあたる1万993米ドル。ほとんどの国が、高等教育段階に多く支出しているのに対し、日本は高等教育段階より、初等教育から高等教育以外の中等後教育段階に多くを支出している。
日本の教育の総資金のうち、公的財源が占める割合は、初等中等教育および高等教育以外の中等後教育が92.7%(民間部門へ資金移転後、OECD平均90.4%)、就学前教育が78.2%(資金移転後、OECD平均85.6%)、高等教育段階が37.5%(資金移転後、OECD平均67.4%)となっている。
また、日本における初等教育段階から高等教育段階までの在学者1人あたりの教育支出は、年間平均1万4,130米ドル(購買力平価)で、OECD平均の1万5,023米ドル(購買力平価)よりも少なくなっている。教育への投資を対GDP比でみても、日本は3.9%で、OECD平均の4.7%を下回っている。
ただし、日本は在学者1人あたりの教育支出が1人あたりGDPの29.4%に相当し、OECD平均25.3%を上回り、OECD諸国の中でもっとも高い割合の1つとなっている。
このほか、日本はOECD加盟国の中で高等教育段階全体の教員に占める女性の割合が31%で、OECD平均の54%を大きく下回り、もっとも低い状況にある。