教育業界ニュース

奨学金返還支援、自治体と企業の取組み拡大…文科相3/18会見

 あべ文部科学大臣は2025年3月18日の記者会見で、筑波大附属小学校におけるいじめ重大事態事案や、奨学金の返還を支援する自治体や企業の増加について言及した。

教育行政 文部科学省
あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年3月18日)
  • あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年3月18日)

 あべ文部科学大臣は2025年3月18日の記者会見で、筑波大学附属小学校におけるいじめ重大事態事案や、奨学金の返還を支援する自治体や企業の増加について言及した。

 筑波大学附属小学校でいじめを訴えていた児童が、アンケートでいじめを訴えていたにもかかわらず、担任の先生に見過ごされ、不登校になり、筑波大学附属中学校への進学を断念したことが発覚した。これを受け、あべ文部科学大臣は、同校でのいじめ調査が進行中であることを承知しているとし、現時点での詳細なコメントは控えると述べた。

 あべ大臣は、一般論として、いじめを発見した場合や児童生徒から相談を受けた教職員は、速やかに学校いじめ対策組織に情報を共有し、学校として組織的に対応する必要があると考えていると述べた。文部科学省は、調査の結果を踏まえ、必要に応じて指導と助言を行う方針だ。

 また、国立大学附属学校に関する質問に対しては、内部進学の有無にかかわらず、学校として児童生徒や保護者が相談しやすい環境を作ることが必要であるとし、相談窓口の設置とその活用が不可欠であると指摘した。文部科学省は、大学の対応を注視し、適切な対応が図られるように指導と助言を行う意向を示した。

 一方、奨学金の返還支援については、昨今の物価高などで学生の経済状況が厳しくなる中、奨学金の返還を支援する自治体が増えていることについて、あべ大臣は、地域への定着を推進するための取組みとして重要であると述べた。内閣官房の調査によれば、2015年時点で5県の97市町村が実施していたが、2024年6月時点では47都道府県で816市区町村に拡大している。

 さらに、企業による貸与型奨学金の代理返還も進んでおり、2021年4月の制度開始後、65社の登録があったが、2025年2月末時点では3,081社にまで拡大している。文部科学省は、これらの取組みを返還負担の軽減策として重要視し、関係省庁と連携しながら普及啓発に取り組み、より一層の利用拡大を促していくという。

《吹野准》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top