保護者の約3人に2人が、GIGAスクール端末の処分方法について知らないことが、児童生徒のデータプライバシー協会が2025年3月17日に発表した調査結果より明らかになった。
GIGAスクール端末の処分件数が2025年以降にピークを迎えるにあたり「データ漏えいを1件も起こさない処分」の実現に向け、同協会は小学校から高校に通う子供を持つ保護者を対象に「GIGAスクール端末処分に対する意識調査」を実施した。サンプル数は306、実査時期は2025年2月。
調査結果によれば、GIGAスクール端末を使用する子供を持つ保護者の約3人に2人が、GIGAスクール端末の処分方法について知らないと回答した。さらに、端末に含まれているデータについても、75%以上の保護者が学校のデータ管理状況を含めて知らないという結果が出た。GIGAスクール構想で導入された端末が2025年に更新時期のピークを迎えるにあたり、端末内の個人情報や学習データが適切に消去されないまま処分されることで、子供の個人情報流出が危惧されている。
また、データ漏えい時のリスクが高いと考えられる、いじめ相談アプリなどのセンシティブなデータが入っていることを知る保護者は、全体の30%未満にとどまることが明らかになった。学校が透明性のあるデータ管理を行い、生徒の情報モラルを高めること、そして保護者が積極的に学校と連携し、子供たちの安全な学習環境を整えていくことが重要とされる。
さらに、約70%近くの保護者が「データ漏えい発生時の対応」に関する情報提供を知りたいと考えている一方で、教育関係者の理解度に課題があることが示された。教育関係者に対する意識調査では、47%が処分方法などを知らないと回答しており、GIGA端末の十分な認知がされていないというギャップが生まれている。
GIGAスクール端末の活用が進み、第2期の基盤整備を強化するフェーズに移る中で、教育関係者におけるデータの適正な管理と保護者の認識向上は、教育関係者が直面する新たな課題といえる。今後は、学校・自治体・保護者が連携しながら、安全な学習環境を実現するための取組みを推進していくことが重要だという。