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全国学力テスト、都道府県別結果公表の意義…文科省

 文部科学省は2025年2月14日、全国的な学力調査に関する専門家会議 調査結果の取扱い検討ワーキンググループの初会合を開催した。都道府県別の結果を公表について、序列化や過度な競争を防ぐための配慮を行うなど議論を進めている。

教育行政 文部科学省
全国学力・学習状況調査の概要について
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 文部科学省は2025年2月14日、全国的な学力調査に関する専門家会議 調査結果の取扱い検討ワーキンググループの初会合を開催した。都道府県別の結果を公表について、序列化や過度な競争を防ぐための配慮を行うなど議論を進めている。

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は、子供たちの学習到達度や理解度を把握し教育の質を保証するため、毎年小学6年生と中学3年生を対象に実施されている。調査結果の公表は、教育の改善に向けた手がかりを提供するが、序列化や過度な競争を招く可能性があるため、慎重な配慮が求められている。文部科学省は、都道府県単位での結果公表を行うことで、国全体の状況を示すだけでなく、地域ごとの教育状況を把握することを目指している。

 調査結果の公表にあたっては、特定の一部分の学力を測定するものであることを示し、数値の解釈についても注意が必要だという。都道府県が独自に公表する場合も、序列化や過度な競争をあおらないよう配慮が求められる。市区町村や学校が結果を公表する際には、学力以外の教育活動の取組状況も示し、総合的な評価を行うことが重要であるとしている。

 指定都市の調査結果についても、国は公表を進める方針を示している。指定都市は都道府県と同規模の児童生徒数を有し、調査結果の公表による弊害が比較的小さいと考えられている。国は、指定都市の結果を公表することで、より一層の説明責任を果たすことを目指している。

 調査結果の公表に関しては、平均正答数や正答率だけでなく、分析結果を併せて公表することが求められている。都道府県や指定都市の特徴をわかりやすく示すため、四つの層分けを行い、数値を公表することが検討されている。これにより、教育施策の改善・充実に役立てることが期待されている。

 国会でも、調査結果の公表が過度な競争を招いているとの指摘があるが、文部科学省はその認識を持っておらず、引き続き公表を行う方針である。都道府県別の結果公表は、国全体の調査結果に対する説明責任を果たすために必要とされている。

 全国学力テストの結果公表は、教育の質を向上させるための重要な手段であるが、序列化や過度な競争を防ぐための配慮が不可欠である。教育関係者や保護者は、調査結果を活用し、子供たちの学習環境の改善に努めることが求められている。

《吹野准》

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