生成AIが急速に普及し始め、教育現場でもあらゆる場面での活用方法が模索されている。校務や授業で活用することで教員の負担軽減や、学習活動のさらなる充実が期待される一方で、プライバシーやデータ保護、著作権、情報の正確性などの問題も懸念されている。児童生徒の生成AIの活用について、どのような姿勢で臨むべきなのか。
文部科学省は2024年12月、改訂版となる「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン（Ver.2.0）」を発表した。その中では、発達の段階等を踏まえつつ、情報モラルを含む情報活用能力の育成を充実させていくことが必要とされている。小学校段階の児童の生成AIの利活用についても、発達の段階等を踏まえたより慎重な見極めが必要と記されており、一概に使用を禁止しているものではないことがわかる。
ガイドラインでは、利活用の際のポイントとして、次のように述べている。
利活用の際のポイント
※「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン（Ver.2.0）」から抜粋教育委員会の方針に基づき、児童生徒に利活用させるべきである。1人1台端末を用いて児童生徒が生成AIを利活用する場合、年齢制限をはじめとする利用するサービスの約款などの提供条件から、利活用にあたってのリスクが許容できることを校長および担当教師が確認し、その約款・条件を遵守させること、約款・条件に則り必要に応じて事前に保護者の理解を十分に得たうえで、教師の適切な指導監督のもとで児童生徒に利活用させることが必要である。
なお、ブラウザや学習支援ソフトウェア、普段利用する検索エンジン等に組み込まれた生成AIサービス等についても以上の考え方は同様であり、教師の意図しない形で生成AIサービスを児童生徒が利活用しないように指導する必要がある。
このように、児童生徒の生成AI利活用にあたっては各サービスの約款・条件の遵守が基本となる。以下で、おもな生成AIサービスの年齢制限について紹介する。
サービス名（提供元） | 年齢制限ルール |
|---|---|
Micrsoft 365 Copilot（Microsoft社） | 13歳未満は利用不可。13歳以上18歳未満は、保護者の許諾があれば利用可。 |
Chat GPT（OpenAI社） | 13歳以上。18歳未満の場合、親権者または法定後見人の許可を得る必要がある。 |
Gemini（Google社） | 個人のGoogleアカウントの場合、13歳以上。ただし、ファミリーリンクで管理されているGoogleアカウントではGeminiウェブアプリにアクセスできない。 学校用のGoogleアカウントの場合、13歳以上であり、機関の管理者によってサービスの利用が許可されていること。 |
＊上記の内容は、2025年1月31日時点のもの。利用する際は、各サービスのWebサイトなどで最新の情報を確認いただきたい。
