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地域大学振興室を新設、産官学の地方移転…文科相1/28会見

 あべ文部科学大臣は、2025年1月28日に会見を行い、2024年度全国いじめ問題子供サミットや、「飛鳥・藤原の宮都」世界文化遺産の推薦、大学の「産官学の地方移転と創生」に向けた取組みについて言及した。

教育行政 文部科学省
あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年1月28日)
  • あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年1月28日)

 あべ文部科学大臣は、2025年1月28日に会見を行い、2024年度全国いじめ問題子供サミットや、「飛鳥・藤原の宮都」世界文化遺産の推薦、大学の「産官学の地方移転と創生」に向けた取組みについて言及した。

 全国いじめ問題子供サミットが2025年1月25日に開催され、全国から約150名の小中学生が参加した。文部科学大臣のあべ氏も出席し、いじめを生まない環境作りをテーマに、子供たちが自分事としていじめを捉え、何ができるかを真剣に考え、意見交換やメッセージの発表を行った。子供たちからは「いつでも相談」「1人で悩まない」といったメッセージが発表され、地域に持ち帰り、いじめをなくすための取組みを広げていくことが期待されている。文部科学省は、いじめの防止に向けた取組みを引き続き推進していく方針だ。

 また、あべ大臣は、「飛鳥・藤原の宮都」の正式版推薦書をユネスコに提出することが閣議で了解されたと発表した。この資産は東アジアの古代国家形成期における中央集権体制の誕生と成立を示すものであり、2026年夏ごろに開催が見込まれる世界遺産委員会での登録を目指す。文部科学省は関係自治体と連携し、登録実現に向けた取組みを進める。

 一方、2024年9月に中国で発生した日本児童襲撃事件について、1月24日に被告に対して死刑判決が言い渡された。この事件は、登校中の児童が襲われ、未来ある子供の命が奪われるという痛ましいものであった。文部科学省は、被害者の家族に対し、心からのお悔やみを表明するとともに、スクールカウンセラーによるカウンセリングを継続し、児童のケアを行っている。また、外務省や中国当局と連携し、学校の安全対策を強化している。

 さらに、産官学の地方移転と創生に向けた取組みとして、文部科学省は大学の地方移転と人材育成を推進する方針を示した。中央教育審議会の案では、地方への大学アクセス確保や都市から地方への移動促進が盛り込まれている。文部科学省は、4月から「地域大学振興室」を新設し、地方創生支援を進める。また、高校段階でも産業界と連携し、専門高校を拠点とした地域人材の育成に取り組むという。

《神林七巳》

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