全日本学校教材教具協同組合と筑波大学附属大塚特別支援学校が共催する「第2回インクルーシブ教育教材コンテスト」の入賞作品が発表された。2024年8月1日から11月30日までの募集期間に176点の応募があり、その中から9作品が選ばれた。最優秀賞は、2025年2月21日のプレゼンテーションで決定される。
同コンテストは、知的障害や発達障害をもつ子供たちの教育を支援するための教材を広く募集し、教育現場での活用を促進することを目的としている。応募部門は知的障害と発達障害の2分野に分かれ、対象クラスは就学前、小学生、中学生、高校生の4つに設定されている。応募者は教員と一般の2種別に分かれ、審査は応募数に応じて教員クラスと福祉・一般クラスに分けて行われた。
入賞作品には、知的障害や発達障害をもつ子供たちが楽しみながら学べる教材が多く含まれている。就学前の部では、愛知教育大学附属幼稚園の近久あゆみ氏による「いじわるクイズ」が選ばれた。この教材は、子供たちが頭で思い描いたものと実際の絵との違いを楽しみ、言葉の発達を促すことを目的としている。
小学生(知的障害)の部では、札幌市立手稲鉄北小学校の小林涼介氏による「ぴったり10カード」が入賞した。この教材は、繰り上がりや繰り下がりのある計算を指を使って行う子供たちが、遊びを通して数の組みあわせを学ぶことを目的としている。
中学生の部では、京都市立西総合支援学校の竹田一哉氏による「オリジナル防災バッグを作ろう」が選ばれた。この教材は、防災教育の重要性を伝えるために、防災グッズを実際に見たり触れたりしながら、自分自身が必要だと思う防災グッズを選んでオリジナルの防災バッグを作る活動を通じて、防災意識を高めることを目的としている。
高校生の部では、高知県立中村特別支援学校の北村三枝氏による「やりくりシミュレーションシート」が入賞した。この教材は、知的障害や発達障害をもつ生徒が金銭管理のスキルを身に付けることを目的としており、キャッシュレス決済が進む中での金銭感覚の育成を目指している。
福祉・一般の部では、村井千晴氏(奈良県)による「文クル」が選ばれた。この教材は、助詞を間違えやすい子供たちが楽しく体験的に助詞を習得することを目的としている。
最優秀賞の発表は2月21日に浦安ブライトンホテル東京ベイで行われる予定で、選ばれた作品には「inCLumインクルーシブ教育教材カタログ」より10万円分の教材が贈られる。優秀賞や特別賞にもそれぞれ3万円分、1万円分の教材が贈られる予定である。