文部科学省は2024年12月23日、2025年度(令和7年度)大学入学者選抜における受験生の安全対策について、国公私立大学入試担当部署などに事務連絡を出した。自然災害や人為災害への対応、試験場の安全対策など、受験生が安心して受験に臨めるよう、十分な検討や準備をあらためて求めている。
文部科学省は、「令和7年度大学入学者選抜実施要項」に受験生の安全対策を記載。警察庁に対しても、各大学から相談があった場合など、助言や安全対策に係る連携などについて配慮を依頼しており、警察庁から全国の都道府県の警察本部に周知されているという。
今回の事務連絡では、大学入学共通テストや2月1日以降の一般選抜の円滑な実施に向け、各国公私立大学入試担当部署と大学入試センター担当部署に対し、受験生の安全対策に関する実施要項の内容をあらためて周知。準備に遺漏のないよう依頼している。
実施要項では、自然災害や人為災害など、不測の事態に適切に対応できるよう各大学が取り組む事項として、「試験実施当日の安全対策について、必要に応じて警察や受験者が利用する公共交通機関などと連携して対応する」「入試方法や受験者数など大学の実情に応じて、教職員の活用も含め、必要な警備要員を確保するとともに、試験場周辺や試験場内の十分な巡回に努める」「警備体制や救助要請などに関する危機事象発生時のマニュアルなどを整備し、定期的に見直す」をあげている。
このほか、大学の実情に応じて継続的に対応することが考えられる事項として、「試験実施当日の試験場周辺や試験場内において、受験者などが万が一、不審者や不審物を発見した場合、その通報を受けられる体制を整えておく」「自然災害や人為災害など不測の事態により、試験に遅刻した者または受験することができなかった者がいる場合には、試験時間の繰り下げや別日程への振替などの対象とするなど、受験者の受験機会の確保などに配慮する」を掲載。受験生が安心して受験に臨めるよう、配慮や対応を求めている。