2024年12月24日、あべ文部科学大臣は記者会見を行い、福島県内の原子力関連施設を視察したことや、日中ハイレベル人的文化交流対話への参加予定について報告した。福島では廃炉の進捗状況を確認し、廃炉に興味を持つ学生たちと意見交換を行った。また、日中交流対話では青少年の交流や教育文化スポーツ交流について議論する予定である。
あべ大臣は、12月21日に福島県内の原子力関連施設を視察し、廃炉の進捗状況を確認した。視察では、東電の福島第一原発や日本原子力研究開発機構の廃炉研究の重要性を再認識したという。また、廃炉の創造ロボコンを観戦し、福島高専の学生たちと意見交換を行った。学生たちの中には、小学生のころから廃炉に興味を持ち、将来は廃炉に関わりたいと考える者もおり、その志の高さに感動したと述べた。
さらに、あべ大臣は12月25日から26日にかけて中華人民共和国を訪問し、日中ハイレベル人的文化交流対話に参加する予定である。この対話では、両国間の青少年交流や教育文化スポーツ交流、コンテンツ交流などについて議論する予定。また、2025年1月2日から8日までアメリカ合衆国を訪問し、米国国立科学財団長官やNASA長官との会談を行う予定である。
文部科学省は、災害時に子供たちの学びを確保するための支援体制を強化する方針を示した。災害が頻発する中、平時からの備えを強化することが重要であるとし、被災地での学びを支援するための派遣枠組みを構築することを決定した。
さらに、中央教育審議会総会において、今後の学習指導要領のあり方について諮問を行う予定である。子供基本法の趣旨を踏まえ、子供たちの意見を直接聞く取組みを実施することを決定し、参加者の募集を開始する。
会見では、東北大学の研究体制強化計画の認可についての報告もあった。12月24日に認可されたこの計画では、若手研究者が独立した環境で自由な発想による多様な研究活動を行うための体制を確立することが盛り込まれている。これにより、東北大学が我が国全体の研究力を牽引することが期待されている。また、国際卓越研究大学の第2期公募が開始され、各大学からの意欲的な提案が求められている。
あべ大臣は、宇宙開発戦略本部における宇宙基本計画の改定についても言及した。JAXAを中核機関として、機関ロケットの開発や衛星探査機の開発運用を進めること、日本人宇宙飛行士の月面着陸の実現に向けた取組みを本格化することが示された。文部科学省としては、宇宙分野における人材育成や確保を含め、関係府省と連携して取組みを進める方針である。
会見の最後には、教職員のメンタルヘルス対策や働き方改革についても触れられた。精神疾患で休職する教職員が増加していることを受け、医療の専門家と連携したメンタルヘルス対策の強化や、教職員定数の改善に取り組むことを表明した。
