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コドモン「手遊び」動画55本公開、保育者のスキル向上へ

 コドモンは、全国の保育施設や乳幼児教育に関わる保育者を対象に、「手遊び」動画55本を制作したことを発表した。これらの動画は、コドモンが運営するオンライン研修サービス「コドモンカレッジ」が、鎌倉女子大学と連携し、同大学児童学部の浅井拓久也准教授とゼミ生15人によって制作された。

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「手遊び」動画の1シーン
  • 「手遊び」動画の1シーン

 コドモンは、全国の保育施設や乳幼児教育に関わる保育者を対象に、「手遊び」動画55本を制作したことを発表した。これらの動画は、コドモンが運営するオンライン研修サービス「コドモンカレッジ」が、鎌倉女子大学と連携し、同大学児童学部の浅井拓久也准教授とゼミ生15人によって制作された。動画は「手遊び」を子供と楽しむ手段として紹介するだけでなく、各動作が子供の発達にどのような効果をもたらすかを具体的に解説している。

 厚生労働省の「保育所保育指針」では、「子供ひとりひとりと丁寧に関わる保育」が求められている。しかし、1人の保育者が複数の子供を保育する現状では、子供の発達状況を細かく観察するのが難しいという課題がある。そこで注目されたのが「手遊び」である。手遊びは、子供の発達状況を理解し、成長を促す手段として有効であることがわかっている。

 今回制作された動画は、5つのジャンルに分けられている。活動の導入、生活習慣、粗大運動・微細運動、知識・言語・形、感情・コミュニケーション、季節・行事の各ジャンルにおいて、合計55本の動画が制作された。これらの動画は、保育現場でのさまざまな場面で活用できるように設計されている。

 浅井准教授は、「保育者の皆さんには、動画内の『手遊び』を覚えて終わりにしてほしくありません。なぜこういう『手遊び』になっているのかを考え、自分ならこのような『手遊び』にするのに、と応用させてほしいと考えています。手遊びには『これが正解』というものはないからです」とコメントしている。

 「手遊び」とは、乳幼児を対象にした、歌と手の動作が一体となった遊びである。遊具を準備しなくても簡単に楽しめること、動作に子供の成長につながる効果があること、子供ひとりひとりの発達段階を把握できることが魅力である。

 手遊びを通じて得られる効果として、体の発達、言語能力やコミュニケーション能力の発達、心の発達があげられる。手遊びは、生活や遊びの動作を引き出し、自然と力の入れ方が身に付く。また、手は「外部の脳」と言われ、手遊びでは左右の手をバランスよく使うため、脳の活動が発達する。

 さらに、手遊びの歌にはたくさんの言葉が使われており、楽しみながら言葉を覚えることができる。保育者や保護者、子供同士で手遊びを行うことで、自然とコミュニケーションが深まる。

 手遊びの中で名前を呼ばれると、自己肯定感が生まれる。また、手遊びの歌は視覚的な絵や映像がないため、子供たちは言葉を想像しながら遊ぶことができ、想像力を養う効果もある。

 コドモンは、保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON」や保育者向け研修サービス「コドモンカレッジ」などを提供している。今回の動画制作を通じて、保育者のスキル向上と保育業界の発展に寄与することを目指している。

《佐藤愛》

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