文部科学省は2024年11月8日、大学ファンドを通じて世界最高水準の研究大学を目指す「国際卓越研究大学」として、東北大学を認定したことを発表した。大学が提出する体制強化計画の認可後、2024年度中に助成を開始する予定。
「国際卓越研究大学」は、世界トップレベルの研究などが見込まれる大学を認定し、政府が創設した10兆円規模の大学ファンドを活用して支援する新制度。初回の公募で申請のあった10校から、東京大学・京都大学・東北大学の3校に候補を絞ったうえで、2023年に東北大学を認定候補として選定。審査を経て2024年6月に東北大学が認定基準を満たしたことが発表されていた。
東北大学はその後、国際卓越研究大学の認定に係る認定申請書を提出。総合科学技術・イノベーション会議および科学技術・学術審議会へ意見聴取を行ったうえで、今回、文部科学大臣が東北大学を「国際卓越研究大学」として認定した。
今後、東北大学は国際卓越研究大学としての事業計画となる「体制強化計画」を文部科学省に提出。内閣総理大臣および財務大臣と協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議および科学技術・学術審議会へ意見聴取を実施し、文部科学大臣が体制強化計画の認可の判断を行う。認可された場合、2024年度中に東北大学への助成を開始する予定。
東北大学の体制強化計画は、第I期10年間、第II期8年間、第III期7年間の25年間。毎年度、文部科学省が書面によるモニタリングを実施し、有識者で構成される国際卓越研究大学のアドバイザリーボードが、各期のコミットメントの達成に向けて必要に応じて後押しする。また、コミットメントの達成状況や次期計画などを確認し、支援の継続の可否について厳格にみていく。
国際卓越研究大学に認定されたことを受けて、東北大学の冨永悌二総長は「今後さらに責任を自覚し、全学を挙げて国際卓越研究大学として、日本、そして世界を先導する研究大学を創造し、社会の皆さまの期待に応えてまいります」とコメントしている。
なお、国際卓越研究大学の第2期公募は、大学ファンドの運用状況などを勘案し、2024年度中に開始する予定。