守口市教育委員会とTeach For Japanは2024年10月2日、持続可能な公教育の充実・発展の実現に向けた事業連携協定を締結した。民間との連携による多様な人材資源から、新たな公教育体系の構築を目指す。
学校現場において、教員の長時間勤務と講師不足が大きな課題となっている。守口市教育委員会では、これまでもさまざまな働き方改革の取組みを進めてきた。
Teach For Japan(以下、TFJ)は、「すべての子供が、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」をビジョンに、多様な人材を教育現場へ送り出す「フェローシップ・プログラム」を構築。教育をより良くしたいと考えるさまざまな人材について、選考・研修を通して育み、自治体との連携により、2年間教員(フェロー)として「教室」へ送り出すプログラムで、2013年から2024年までに320名にのぼる人材を届けているという。
今回、守口市教育委員会とTFJは事業連携協定を締結。さまざまな教員免許状の利活用により、多様な人材による流動性の高い教職員組織を構築することで、教員不足などを解消し、学校教育の多様性を高める。また、教員が多様な知識・経験をもつ人材と関わる環境をつくることで、変化していく学習者や社会のニーズに対応する資質・能力を育み、新たな領域の専門性を身に付けるなど、令和の日本型学校教育を担う教職員集団を結成する。
さらに、企業や地域社会と連携することにより、民間の多様な資源が公教育に循環する「共助」による新たな公教育体系の構築を目指すという。
連携協定締結にあたり、守口市教育委員会教育長の田中実氏は、「学校現場に専門性の高い多様な人材を派遣することなどにより、子供たちのより豊かな経験の実現と働き方改革をさらに進めます」とコメント。
TFJ代表理事の中原健聡氏は、同社のフェローシップ・プログラムの特徴は、TFJが輩出した教員(フェロー)を通して、児童生徒の資質・能力のアセスメントを行い、その結果を教員(フェロー)の選考・育成・研修にフィードバックする仕組みにあることから、「教育に関わる人材と育成に関するノウハウを、守口の教育の実現に向けて活用していきます。また、企業や地域社会との連携や民間資金を活用した『共助』による学びの充実を図ることで、社会全体で子供たちの特性・個性を伸ばす『多様な学び』を充実させていきます」と述べた。