日本出版販売は2024年4月8日、2023年度年間図書ランキングを発表した。セット部門1位は「知りたい！カーボンニュートラル 脱炭素社会のためにできること」がランクイン。地球温暖化の脅威が身近に感じられる中、子供たちに人気のジャンルを押さえて1位に選ばれた。
日販図書館選書センターは、小中学校の児童・生徒向けの図書を学校図書館関係者に図書見本として紹介する施設。常時3万冊規模の図書見本を展示し、常駐する経験豊富なコンシェルジュが来場者との対話を通じて、希望のテーマの図書提案から他校での展示事例の紹介まで、ニーズに沿った選書をサポートする。
毎年、日販図書館選書センターに来場した学校図書館関係者が選書した図書を、選ばれた回数によってランキング化した「年間図書ランキング」を発表。今回は、2023年4月～2024年3月に選書された図書を2023年度のランキングとして発表した。学校図書のトレンドが現れるため、今後の選書の参考として活用できる。
セット部門1位は、あかね書房「知りたい！カーボンニュートラル 脱炭素社会のためにできること」。全4巻構成で、カーボンニュートラルの概要から身近な取組みまで紹介している。そのほか、子供たちに人気のテーマである「料理」「どうぶつ」「ドローン」、時事問題として耳にする機会が増えた「ヤングケアラー」など、幅広いテーマの図書が上位10冊に選ばれた。
小学校単品部門1位は、福音館書店「すいどう」。水道を通して暮らしの中で使われている水の流れをわかりやすく描いた1冊で、小学校の理科・社会の単元にも関わるテーマとして多くの関係者に選ばれた。同様に「国語」や「生活」など、小学校の授業の単元に関わるテーマの図書が多く選ばれている。
中学校単品部門1位は、2022年度に続き、KADOKAWA「君たちは今が世界（すべて）」が選ばれた。小学生のヒリヒリするような教室の空気が伝わってくる作品で、入試問題としても多く採用されているという。ランキングには、読み物のほか、修学旅行や受験勉強、ファシリテーションやネットをテーマにした図書が選ばれている。
2023年度年間図書ランキングは、日販図書館選書センターの公式Webサイトに掲載している。なお、日販図書館選書センターの来場は事前予約制。営業時間等を公式サイトで確認のうえ、公式サイトの来場予約フォームより申込みできる。
◆2023年度年間図書ランキング
＜セット部門（小・中学校）＞
1位「知りたい！カーボンニュートラル 脱炭素社会のためにできること」（あかね書房）
2位「食べもののひみつ」（理論社）
3位「これ だれの？くらべよう！どうぶつのからだ」（小峰書店）
4位「世界がわかる図鑑」（Gakken）
5位「ビジュアルでつかむ！古典文学の作家たち」（ほるぷ出版）
6位「みんなに知ってほしいヤングケアラー」（ポプラ社）
7位「1年生からのらくらくレシピ」（文研出版）
8位「ドローン大解剖！」（教育画劇）
9位「持続可能なまちづくり」（岩崎書店）
10位「どうぶつの赤ちゃん」（金の星社）
＜単品部門（小学校）＞
1位「すいどう」（福音館書店）
2位「小学生でも安心！はじめてのカナヘビ 正しい飼い方・育て方」（メイツユニバーサルコンテンツ）
3位「せんそうがおわるまで、あと2分」（合同出版）
4位「ぼくはいったい どこにいるんだ」（ブロンズ新社）
5位「みんなが知りたい！宝石のすべて きれいな石の成り立ちから美しさのヒミツまで」（メイツユニバーサルコンテンツ）
＜単品部門（中学校）＞
1位「君たちは今が世界（すべて）」（KADOKAWA）
2位「推しことば類語辞典」（笠倉出版社）
3位「図解でスッと頭に入る江戸時代」（昭文社）
4位「中学生の悩みが軽くなるヒント集めました。」（河出書房新社）
5位「イラストガイド 京都・奈良のお寺で仏像に会いましょう 改訂版」（メイツユニバーサルコンテンツ）
