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大学の産学連携は拡張傾向…民間共同研究「東大」最多

 文部科学省は2024年2月16日、2022年度(令和4年度)大学等における産学連携等実施状況について公表した。研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は約4,390億円と、前年度(2021年度)と比べて約281億円増加した。

教育行政 文部科学省
研究資金等受入額の推移
  • 研究資金等受入額の推移
  • 民間企業からの研究資金等受入額の推移
  • 民間企業との共同研究の実施件数および研究費受入額の推移
  • 民間企業との共同研究の研究費の規模別実施件数および研究費受入額内訳
  • 個別実績:民間企業との共同研究関係

 文部科学省は2024年2月16日、2022年度(令和4年度)大学等における産学連携等実施状況について公表した。研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は約4,390億円と、前年度(2021年度)と比べて約281億円増加した。

 文部科学省では、産学連携等の実施状況について広く把握し、今後の施策の企画・立案に反映させることを目的として、全国の大学などを対象に産学連携等の実施状況を毎年度調査している。2022年度は、国公私立大学(短期大学を含む)、国公私立高等専門学校、大学共同利用機関計1,076機関を調査対象とし、計1,052機関の回答を得た(機関により、一部設問について回答がなされていない場合を含む)。調査時点は2023年3月31日現在。

 研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は約4,390億円と、前年度と比べ約281億円(6.8%)増加。民間企業からの研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は約1,381億円と、前年度に比べ約104億円(8.1%)増加した。このうち、共同研究による研究費受入額は約973億円と、全体の約70.5%を占めている。

 民間企業との共同研究における研究費受入額は約973億円と、前年度に比べ約80億円(9.0%)増加。研究実施件数は3万236件で前年度よりも599件(2.0%)増加している。研究資金等受入額全体や、民間企業からの研究資金等受入額、民間企業との研究実施件数など、いずれも年々増加傾向にあり、産学連携が拡張している傾向がみられる。

 大学ごとの個別実績をみると、民間企業との共同研究実施件数がもっとも多いのは東京大学で1,911件。ついで、東北大学1,400件、大阪大学1,374件、京都大学1,283件、慶應義塾大学943件。上位5校は前年度と同順位となった。

 民間企業との共同研究費受入額は、東京大学が最多の146億4,460万9,000円。ついで大阪大学101億8,201万3,000円、京都大学75億5,966万円、東北大学64億3,828万7,000円、名古屋大学41億2,972万9,000円。

 また、民間企業との共同研究にともなう1件あたりの研究費受入額は聖路加国際大学の1,217万6,000円が最高額、民間企業との共同研究にともなう研究者1人あたりの研究費受入額は東京工業大学の267万4,000円が最高額となっている。

 調査結果の詳細は、文部科学省Webサイトに掲載されている。

《畑山望》

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