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大阪市「欠員補充制度」創設、小中に特別専科教諭を配置

 大阪市は2024年2月8日、市立小中学校の教員不足に対応するため、学級担任をもたない「特別専科教諭」が年度途中から欠員校に勤務する「本務教員による欠員補充制度」を創設することを明らかにした。政令指定都市としては全国初の取組み。2024年度予算案に経費として約4億円を計上するとしている。

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本務教員による欠員補充制度の創設
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 大阪市は2024年2月8日、市立小中学校の教員不足に対応するため、学級担任をもたない「特別専科教諭」が年度途中から欠員校に勤務する「本務教員による欠員補充制度」を創設することを明らかにした。政令指定都市としては全国初の取組み。2024年度予算案に経費として約4億円を計上するとしている。

 大阪市によると、全国的な教員不足の中、年度途中からの産休育休取得者などの代替講師の確保が困難な状況にあり、現場教員の負担感は大きなものになっている。また、欠員補充が難しい状況から、産休や育休を取りづらいという声が現場からも出ていたという。

 「本務教員による欠員補充制度」では、新たに特別専科教諭を配置。特別専科教諭は、各年度の新規採用者として年度当初の勤務校では学級担任をもたず、専科指導や副担任、授業補助を中心に受け持ち、年度途中に欠員が発生した場合には、その学校へ代替教員として配置され、学級担任などの業務を担う。

 具体的には、2024年度から法律に基づく教員定数に加え、大阪市独自に本務教員として採用した特別専科教諭を市立小中学校に段階的に配置。2025年度には小学校100人、中学校30人の採用枠を設け、2026年度以降も同様の採用枠を確保していく。

 2024年度は、教員採用合格者(小学校411人、中学校229人)の中から、教員経験のない新卒者を中心に小学校50人、中学校15人を特別専科教諭に選定予定。特別専科教諭の人件費として、2024年度は約4億円、2025年度は約8億円を見込んでいるという。

 大阪市によると、政令指定都市としては全国初の取組み。新制度によって年度途中の教員不足を抜本的に解消するとともに、新任教員が経験豊かな先輩教員から知識や技術を学び、先生として成長できる時間を確保することができ、若手の人材育成にも寄与するとしている。

 2月8日に会見した大阪市の横山英幸市長は「教員が子供たちの前で健康で生き生きと仕事をする、教員が子供たちひとりひとりに向き合う時間を確保するといったことが教育の充実につながり、結果として子供たちのためになる」と語った。

《奥山直美》

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