文部科学省は12月22日、「大学入学者選抜における不正行為防止に係る周知について」をWebサイトに掲載した。大学・教育委員会・予備校・学習塾に向け、学生が不正行為に関与することがないよう注意喚起を呼び掛けている。
2022年度大学入学共通テストでは、受験生が電子機器類を用いて試験問題を外部へ送信して解答を依頼し、大学生が不正行為と知らずに解答を返信するなど、大学入学者選抜の公平性・公正性が損なわれ、周囲の受験者にも影響を与える事案が発生している。
文部科学省では、注意喚起用資料を作成するとともに、大学・教育委員会・予備校・学習塾に向け、通知「大学入学者選抜における不正行為防止に係る周知について(依頼)」を発出し、注意喚起を呼び掛けている。
大学には、構内や学内ポータルサイトに注意喚起用資料を掲示することなどを依頼。高等学校等設置者に対しては、受験生に募集要項などを十分に確認するよう注意喚起すること、学習塾・予備校関係者に対しては、受験生を指導する者が不正行為に関与しないよう注意喚起することを加えて依頼した。
不正行為に関与してしまう例としては「時間内に解答を返信してほしいなどの依頼に応じる」「SNSなどに投稿された問題に解答する」など。特に注意が必要な場面例としては、「試験期間中にオンラインで問題への回答を依頼される」「試験問題の画像が送付され、解答の送付を求められる」などを想定し、注意喚起用資料に掲載している。
2024年度の大学入学共通テストは、本試験が2024年1月13・14日、追試験が1月27・28日、各大学の学力検査は2月1日~3月25日に行われる。解答依頼のある問題は試験問題の可能性があるため、特に注意するよう呼びかけている。