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大学生「文章力・論理的思考力」が課題、大学教員調査

 全国大学生協連は2023年10月30日、大学教員を対象に「授業や学生の学びの実態や課題」についての調査結果を公表した。学生の学び方や課題、先生が授業や研究にあたり困っていることがわかった。

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これからの教育と研究~大学生協教員調査 集計結果報告の一部
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 全国大学生協連は2023年10月30日、大学教員を対象に「授業や学生の学びの実態や課題」についての調査結果を公表した。学生の学び方や課題、先生が授業や研究にあたり困っていることがわかった。

 コロナ禍を経て、大きく変化している授業や学生の学びの実態や課題について、大学生協がある大学教員を対象に、これからの教育と研究などについて調査した。調査期間は、2023年6月12日から8月7日。回答人数は2,240人で、大学数は124校(国立51校、公立25校、私立48校)。なお、大学生協連で定期的に実施している学生生活実態調査のように無作為抽出による統計データではなく、協力の呼びかけに応じた回答を集計したもので、回答数の多い大学があるなど偏りがあるため、平均像を代表するものではない。

 教員から見たコロナ禍前と後の授業の変化や学生の状況において、授業の進め方や評価方法などの変化については、「レポートなどの提出をオンライン化した」が54.6%ともっとも多く、「人文・社会・教育」「理・工・農」ともに56.2%、「医・歯・薬・健康」が43.6%で、専門分野別の大きな違いは見られなかった。ついで「資料や板書の共有方法をデジタル化した」が48.1%、「出席の取り方が変わった」が32.7%で、急速にデジタル化が進行したことがわかった。

 「コロナ禍での授業の進め方や評価方法などの変化」では、「予習もしくは復習の課題を増やした」が20.6%、「レポート課題の増加」が15.3%で、オンライン授業により課題が増えたことがわかった。

 「コロナ禍前とコロナ禍後で、授業の準備や準備時間に変化があるか」については、「授業を準備する時間が長くなった」が45.1%、「授業直前の準備時間が長くなった」が25.6%、「教室内の機材の設置準備の時間が長くなった」が22.6%で、準備時間が増加していることがわかった。

 「オンラインやオンデマンド授業での困ること」では、「学生の反応がわからない」が50.8%ともっとも多く、「著作権への配慮」が40.4%、「動画コンテンツ作成」が24.2%となった。

 「大学教員が見た今の学生に不足していると感じるスキル」においては、「文章力」が65.6%ともっとも多く、「論理的思考力」が59.2%、「情報リテラシー」が41.7%で、パソコンスキルや語学力は意外に少なく、文章力と論理的思考力が不足している学生が多いと感じられていることがわかった。

 大学生協では、 学生が学びをより良くするために、不足するスキルを身に付けるための講座や書籍提案、先生が授業をスムーズに進行するために、授業準備や教材作成のサポート、教科書や電子教科書のニーズに応えるためのコンテンツ調達や利用提案、時間不足や効率化に役立つ物品の提供や活用例の情報提供などの取組みを検討するとしている。

《宮内みりる》

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