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「通信教育市場」前年度割れ…教育産業全体で0.3%減

 矢野経済研究所は2023年10月6日、教育産業市場に関する調査結果を発表した。2022年度はコロナ禍の行動制限の撤廃などに伴う需要の変化を受けて、主要15分野のうち10分野がマイナス成長となった。

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教育産業全体市場規模推移(主要15分野計)
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 矢野経済研究所は2023年10月6日、教育産業市場に関する調査結果を発表した。2022年度はコロナ禍の行動制限の撤廃などに伴う需要の変化を受けて、主要15分野のうち10分野がマイナス成長となった。

 教育産業市場に関する調査は、国内の教育産業市場(主要15分野)のサービス分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにしたもの。学習塾や予備校、通信教育事業者、資格取得学校、語学スクール、幼児教室、体操教室、研修サービス事業者、eラーニング事業者、学習用教材会社、業界団体、管轄省庁などを対象に、2023年7月~9月に実施。同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・e-mailによるヒアリング、ならびに各種文献調査を併用して行った。

 2022年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.3%減の2兆8,499億7,000万円となった。2022年度はコロナ禍の行動制限の撤廃などに伴う需要の変化を受けて、主要15分野のうち10分野がマイナス成長となり、全体市場としては再び縮小となった。特に「通信教育市場」は対面教育サービスへの需要回帰などを受けて、幼児向け、学生向け、社会人向けの3分野すべてが前年度割れとなるなど、市場全体の縮小に大きく影響を及ぼしている。2022年度において前年度の市場規模を上回った分野は、「学習塾・予備校市場」「資格取得学校市場」「幼児体育指導市場」「企業向け研修サービス市場」「eラーニング市場」の5分野に留まった。

 2023年度の教育産業の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.5%増の2兆8,632億7,000万円を予測する。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へ移行し、社会経済活動が従来の状態を取り戻しつつある中で、需要を高める分野と後退させる分野が混在することが想定される。教育産業主要15分野のうち、7分野(「資格取得学校市場」「資格・検定試験市場」「語学スクール・教室市場」「幼児受験教育市場」「幼児体育指導市場」「企業向け研修サービス市場」「eラーニング市場」)が成長することによって、教育産業全体市場としてはプラス成長で推移すると予測している。

《田中志実》

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