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学校の女性管理職比率向上に向け普及啓発…12月にフォーラムも

 リディラバは、文部科学省の2023年度委託事業の取組みとして、学校教育分野における女性の意思決定過程への参加を促進させるための普及啓発事業を開始。全国フォーラムの開催や調査、資料集の作成などを通して、教育分野における女性管理職比率の向上を目指す。

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学校教育分野における女性の管理職比率向上に向けた普及啓発事業を開始
  • 学校教育分野における女性の管理職比率向上に向けた普及啓発事業を開始
  • 教員の女性割合の現状

 Ridilover(リディラバ)は、文部科学省の2023年度(令和5年度)委託事業の取組みとして、学校教育分野における女性の意思決定過程への参加を促進させるための普及啓発事業を開始。全国フォーラムの開催や調査、資料集の作成などを通して、教育分野における女性管理職比率の向上を目指す。

 文部科学統計要覧(2023年版)によると、小学校の教員に占める女性の割合62.4%に対し、小学校の校長の女性割合は25.1%に留まっている。中学校の校長の女性割合は9.9%(中学校教員の女性割合44.3%)、高校の校長の女性割合は9.4%(高校教員の女性割合33.1%)と、女性が校長になる割合は男性に比べて圧倒的に低く、副校長・教頭といったほかの役職についても同様の現状にある。

 学校における女性管理職比率の低さは、教育を受ける側である児童・生徒にも影響を与えるおそれがある。国立女性教育会館の報告によると、小中学生を対象にした「女性の校長はなぜ少ないと思うか」という問いかけに対し、「おとこのほうがつよいから(小1)」「男の先生がしっかりしているから(小4)」といった固定的な性別イメージに関する回答が約3割を占めたという。身近な存在である教員の現状が、子供たちの固定的な性別役割分担意識に影響を与えている可能性があり、学校における女性管理職比率の低さは大きな課題になっているという。

 創業当時からさまざまな社会課題に関するスタディツアーを実施してきたリディラバは、2022年より山形市、資生堂ジャパンと共同で女性活躍の推進に向けた公民連携プロジェクトを開始。「女性の社会進出」という世界的な社会課題にアプローチしている。今回、これまでの知見が評価され、文部科学省の2023年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」に採択。学校の女性管理職比率向上に向けた普及啓発事業を本格的にスタートさせる。

 事業では、女性管理職の採用・登用のために行った取組みや好事例、現職の女性管理職の工夫点ややりがいを調査し、ロールモデルとして取りまとめる。また、調査した好事例・ロールモデルについて広く周知し理解を深め、女性の多様なチャレンジを総合的に支援する社会的機運を高めることを目的に、12月に全国フォーラムを開催。全国の教育関係者が参加できるようオンラインで開催し、交流プログラムも設ける予定。最終的に事業の取組み内容をまとめた資料集を作成し、Webサイト上で広く周知する。

 リディラバは、事業を通じて学校教育分野における女性の管理職比率の向上を図るのはもちろんのこと、学校教育分野で働くすべての人にとってよりよい教育現場を実現し、教育を受ける児童・生徒への影響を通じて、男女共同参画社会や多様性が認められる社会の実現に貢献したいとしている。

《畑山望》

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